親和クリニックの医師陣が出演
藤川アナ
こんばんは、ラジオ大阪アナウンサーの藤川貴央です。20歳の頃から薄毛を気にしていた、私。10月に一念発起して親和クリニック大阪院で自毛植毛の手術を受けてきました。この自毛植毛というのは、自分の後頭部の毛根を採取して、薄い気になっている部分に植えるものなんです。つまり髪の毛のお引っ越しですね。移植した髪の毛は、新しい場所でずっと元気に生え変わり続けてくれるんです。
この番組では、同じ悩みを持つ方に自毛植毛とはどのようなものか知っていただこうと、毎週、薄毛に関するテーマを設けて親和クリニックの先生方にお話を伺います。今週も15分間、お付き合いください。
今週は親和クリニックの安藤善郎先生にお話を伺います。親和クリニック大阪院の手術室からお送りしております。先生、まずは、あけましておめでとうございます。今年も、よろしくお願いします。
安藤
こちらこそ、あけましておめでとうございます。よろしくお願いします。
藤川アナ
先生のお正月はいかがでしたか。
安藤
比較的、のんびりと過ごせました。
藤川アナ
どこかにご家族で行かれたりとかは?
安藤
いえ、自宅でのんびりと寝込んでいました。
藤川アナ
私も、そうでした。
安藤
骨休めです。
藤川アナ
こうやって、ゆっくりする時間も大事ですよね。私がここ親和クリニック大阪で自毛植毛手術を受けて、早くも2カ月半ほどが経過いたしました。実は、もう年内にカバーシートを取っちゃったんです。
安藤
良かったですね。
藤川アナ
すっきりしました。現在の私の頭皮の状態を先ほど診ていただいたのですが、どうでしょうか。
安藤
ドナー部分の傷も完全に治癒しておりますし、移植された部分も非常によく生えております。現在のところ感染はありませんので、経過としては全く順調だと思います。
藤川アナ
ありがとうございます。触るとチクチクする短い毛がありますが、この毛は今後どうなっていくのですか。
安藤
これから抜けるべき毛の場合もあるし、生えてくる毛でもありますので、自然の経過に任せて、よく洗うという処置で十分です。
藤川アナ
今の段階では、チクチクしている毛が伸びてくるのか、抜けるべきなのか判断がつかないのですね。
安藤
そうですね。
藤川アナ
では楽しみに待ちたいと思います。触るとチクチクしているので、しっかり生えているなという感じがして嬉しいです。
安藤
植えた毛で1~2cmまで順調に伸びている毛もありますので、抜けるべき毛が多くなってくる時期でもあります。
藤川アナ
ちょうど減っていく時期でもあるし、伸びてくる時期でもあるのですね。楽しみに待ちたいと思います。
藤川アナ
今回は、いよいよ本題中の本題、「自毛植毛手術」について2週にわたって詳しくお話を伺ってまいります。私が実際に親和クリニック大阪で受けた自毛植毛手術とはどういったものなのか、改めて詳しく教えてください。
安藤
薄毛の手術的な治療は、大きく二つに分けられます。自分の毛を移植する自毛植毛手術が一つ、全く別の人工毛手術がもう一つです。今、うちのクリニックでは、自毛植毛手術を行っていて、人工毛手術は行っておりません。
自毛植毛ですから、読んで字のごとく自分の毛を引っ越して新しいところに植えるという手術で、拒絶反応がないというメリットがあります。
藤川アナ
自分の毛を引っ越す作業なのですが、実際、どのようにして自分の毛を植え替えるのか、詳しく教えていただけますか。
安藤
藤川さんの場合もそうですが、今はメスで切らない手術を行っていて、極小のパンチブレードという機械を使い、フォリキュラー・ユニットという株単位で一つひとつ採取します。そして、それよりも一回り小さなパンチブレードで、採取した株を移植するためのホールを開けていきます。
藤川アナ
つまり毛穴を作るのですね。
安藤
毛穴を作ります。その後、空気圧式のインプランターという機械で、迅速に移植作業を行うという3段階で行っております。
藤川アナ
すごい機械があるのですね。
安藤
機械の発達は非常にいいと思います。
藤川アナ
パンチブレードという穴を開ける機械は直径何mmぐらいですか。
安藤
うちで使っている機械は、世界最小の0.83mmで株を採取します。ホールを開ける機械は0.63mmか0.65mm(2021年9月現在、0.5mm-0.6mm)のサイズで、穴を開けることができます。
藤川アナ
毛穴を開けるブレードのほうが小さいのには、何か理由があるのですか。
安藤
ある程度の太さの株を、より小さい穴に入れることでパッキングされるというか、小さな毛穴に空気圧で自然と差し込んでいきます。
藤川アナ
グッと小さいところに押し込むわけですね。
安藤
それで自然に埋め込まれ移植することができるので、非常に単純で早くスピーディーに行えます。
藤川アナ
小さいところに植えるから抜けにくいのですね。
安藤
以前のようにメスで切って穴を作って植えると、非常に不安定な移植になり生着率の問題がありましたが、今はパンチブレードで機械的にやっていくことで、非常に精密で迅速にやっているのが現状です。
藤川アナ
メスで細長い形の毛穴を開けるのと、パンチブレードで丸い毛穴を開けるのとで、毛根の生着率は変わってきますか。
安藤
既存毛の生えている方向も微妙に違いますので。
藤川アナ
毛の向きですね。
安藤
それに合わせてパンチブレードで方向性を決めて穴を開けていくことで、より自然なヘアが生えてきます。30~40年前はメスが主流でしたが、メスそのものの侵襲も大きいですし、いろいろ問題があるので、現在はパンチブレードという精密な機械でやっていて、改良されてきた適切な方法だと思います。
藤川アナ
すごいですね。
安藤
もともと自毛植毛手術が始まったのは80年ぐらい前で、毛が生えているところを小円形に切り取って移植するという、いわゆる皮膚移植から端を発しています。その後は、だんだんと改良が加えられ、2000年代になると1cmの幅を切り取っていました。
藤川アナ
皮膚そのものを1cmの帯状に切ってしまうのですね。
安藤
その後、株分けをして植えていくという手術です。
藤川アナ
そういう手術をした場合、後頭部に横一文字に傷が残ってしまいますよね。
安藤
傷が残るし、痛いし、侵襲も大きいです。さらに多少の生着率の問題もありますし、株の損傷もありますから、親和クリニックでは行っていません。
藤川アナ
毛根を一個一個パンチブレードで採ってきて?
安藤
そういうことです。一個一個採るということは、それだけ良い株を選択できますので、効率よく良い株を植え付けることができます。そして、方向を見極めて入れていくという、非常に優れた手術だと思います。
藤川アナ
一つの株から2~3本生えている元気な株だけ選んで植えてくださるということですよね。後頭部から採取するわけですが、理由は何かあるのですか。
安藤
薄毛の多くはホルモンの影響が主たる原因で起こる男性型脱毛症なのですが、後頭部の髪の毛はホルモンの影響が作用しにくいんです。それで、脱毛になりにくい後頭部の毛を選んで薄毛のところに移植しています。
藤川アナ
波平さんでも後ろの髪の毛は生えていますものね。
安藤
そうですね。後頭部の毛を移植しますから、その分、後頭部は若干薄くなりますが元気な髪の毛が頭頂部や前頭部で育っていきます。
藤川アナ
私は後頭部の毛を1,000株採って、つむじ周辺に植えていただきましたが、大体何株ぐらい移植される方が多いのでしょうか。薄い範囲がどれぐらいかにもよりますよね。
安藤
薄毛の範囲と密度にもよります。範囲が狭くても全く生えていないところには濃厚な密度を保って植えていきますが、ある程度生えているところには隙間に入れていきますので、植える数はまちまちです。だから、500~600株の方もいらっしゃれば、3,000~4,000株必要な方もいらっしゃいます。
藤川アナ
1回の手術で最大で何株ぐらい採ることができるのですか。
安藤
大体4,000株ぐらいといいますが、時間的な問題もありますので最近の手術では3,000株ぐらいが目安です。
藤川アナ
そんなに採れるのですね。私の手術は麻酔が終わって包帯を巻くまで、約6時間でした。
安藤
トータル的に約5時間は標準的にかかると見て、日帰り手術ということになります。
藤川アナ
意外とあっという間ですよね。
安藤
共同作業でスピーディーにやっていきます。やはり、とにかくスピーディーにやることが大事です。
藤川アナ
たくさんの株を素早く、しかも方向も見極めて植えていってくださるのが最新の治療なのですね。移植した後の毛なのですが、自分の髪の毛ですから自らの既存毛と変わらないわけですよね。
安藤
そうです。自分の髪の毛ですので、自然なヘアスタイルが確保できます。
藤川アナ
これが一番うれしいところですよね。抜けてしまったらそれで終わりではなくて、また生えてきてくれるということですもんね。
藤川アナ
では先生、お別れの時間が近づいてまいりましたが、先生にとって2020年は、どんな1年にしたいと思っていらっしゃいますか。
安藤
先週、音田先生もおっしゃられたように飛躍の年とはいいますが、手術の手技も含めて確実な治療をしっかりと提供していきたいと思います。
藤川アナ
では、来週も自毛植毛手術について、安藤先生に詳しくお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。