親和クリニックの医師陣が出演
藤川アナ
『藤川貴央のMIRAIのアタマ』。
こんばんは、ラジオ大阪アナウンサーの藤川貴央です。20歳の頃から薄毛を気にしていた、私。先月末、一念発起しまして、親和クリニック大阪院で自毛植毛の手術を受けてきました。自毛植毛というのは、自分の後頭部の毛を毛根ごと採取して、薄い部分に植えるものです。移植した髪の毛は、その場所でずっと元気に生え続けてくれるんです。夢がある話ですね。
この番組では、同じ悩みを持つ方に自毛植毛とはどのようなものか知っていただこうと、毎週、薄毛に関するテーマを設けて親和クリニックの先生方にお話を伺います。今週も15分間、お話ししてまいりたいと思います。今週も親和クリニック大阪からインタビューをお届けします。
藤川アナ
さて、今週はスタジオに親和クリニック総括副院長、安藤善郎先生にお越しいただいています。安藤先生、よろしくお願いいたします。
安藤
よろしくお願いします。
藤川アナ
安藤先生は、創傷治療、つまり傷をきれいに治すスペシャリストでいらっしゃいますが、どういうきっかけで薄毛治療の分野に入られたのでしょうか。
安藤
私は外科医としてこれまで多くの創傷治療に関わってきて、従来からいわれている消毒をしたり、ガーゼを当て乾燥させたら傷が治るという治療法に疑問を抱きまして、パラダイムシフトともいえる絶対に消毒しない、ガーゼを使わない、乾燥させない。いわゆる、湿潤療法を徹底して外来の診療で行ってきました。
藤川アナ
湿潤療法は、つまり湿らせるということですか。
安藤
乾燥させずに潤いを保つと、傷は自然にきれいに早く治っていくという原理です。
藤川アナ
どうしても消毒してガーゼで押さえてというイメージですが、逆なんですね。
安藤
逆です。それが植毛手術の面で少しでも生かせたらと思い、それがきっかけになりました。傷の治療は植毛手術もそうですけれど、体表面の傷であるので、見た目で患者さん、あるいは私どもが見て状況が分かりますし、治療経過にも共感できるので、良くなっていく過程を喜びあえるという利点があります。従って、外科医師としても実感の持てる領域なので、非常に共通したところがあると思います。
藤川アナ
安藤先生がこれまでされてきたことが、生かせる分野が植毛の治療ということだったんですね。
安藤
どの程度、生かせるかは分かりませんけれども。
藤川アナ
先生、ところで私の頭の様子も見ていただきたいと思うのですが、術後2週間になりました。昨日起きたら、枕のところに小さなかさぶたがたくさん落ちていたのですが、これは大丈夫でしょうか。
安藤
傷なのでかさぶたができるのは、ある程度仕方がないかと思います。それが取れることで、また新たに生えていく毛の窓口ができ経過としては非常に順調です。今後も引き続き、よく洗髪していくことが大事だと思います。
藤川アナ
しっかり頭を洗う方がいいわけですね。かさぶたに小さな毛が、ピッと付いているものがあるのですが、これは抜けちゃっても大丈夫ですか。
安藤
抜けても構いません。これから毛が抜けても生え替わるという経過もあるので、それ自体はあまり気にすることはないと思います。ただ逆にそれが残ってそこに固定すると、にきびとか毛のう炎※の原因になりますので、それは特に経過として問題はないと思います。
※毛のう炎:毛包(毛根を包んでいる組織)が炎症を起こすこと
藤川アナ
毛が取れてしまっても、中の毛根はしっかりと植えられているわけですね。
安藤
製造元が残っていますので、これから生えていくと思います。
藤川アナ
楽しみです。これからどういう経過をたどっていくのでしょう?
安藤
製造元があるので、そこからだんだんと毛が生える。要するに、いったん抜けた毛がもう一度生え替わっていく。スタートラインに立って、徐々に、徐々に生えていき、今の時期から毛がある程度は抜けていきます。それは自然の経過だと思って、心配することはありません。
藤川アナ
分かりました。半年後、1年後には、かなり見た目が変わってくるという感じですね。楽しみです。
藤川アナ
毎週、薄毛に関する一つのテーマについて先生にお話を伺ってまいります。安藤先生には、薄毛と生活習慣。特に今週は「食生活」について教えていただきたいと思いますが、規則正しい食生活は、やはり髪の毛にとっても大事ですよね。
安藤
非常に大事なことです。基本的に栄養バランスの取れた食事を取ることが大事で、偏った食生活や急激なダイエット、あるいは拒食症など、栄養障害で薄毛になる可能性が非常にあるので注意しなくてはならないかと思います。
藤川アナ
さまざまな栄養素をバランスよく取ることが基本なのですね。髪の毛の成長に必要な栄養素は、何かあるのでしょうか。
安藤
髪の毛は基本的にタンパク質なので、タンパク成分を主体として取っていただくのが一番です。微量元素としては亜鉛、ビタミン類も必要です。普通の食事をされていれば、大体それらは含まれているので、あまり心配することはないと思います。
藤川アナ
髪の毛は主にタンパク質でできているから、タンパク質をしっかり取る必要があるのですね。
安藤
そういうことです。
藤川アナ
肉と魚だと、どちらがいいのでしょう。
安藤
どちらかというと、やはり魚類のほうがいいと思います。
藤川アナ
魚のほうがいいのですか。それは、どうしてでしょう。
安藤
どうしても肉の場合は、脂肪分があって動物性脂肪はあまり良くないといわれています。もちろん、肉もいろいろな栄養素が入っていますので悪いわけではないのですが、私はどちらかといえば魚のほうがいいのではないかと思っています。
藤川アナ
魚を取ってタンパク質を補給して、野菜もしっかり食べてビタミンを取って、健康的な食生活を続けていると大丈夫なわけですね。
安藤
基本的には、そういうことですね。
藤川アナ
そうすると、あまり脂っこいものは食べないほうがいいのでしょうか。
安藤
代謝の問題ですが、油、特に動物性脂肪はあまりよくないといいます。最近ちまたでは糖質制限が非常に多く叫ばれているかと思いますが、糖質を取ると体の中で脂肪、油に変換されていきます。糖分を取り過ぎると、皮脂が多くなるという弊害を起こし、体全体としても糖質は問題になってきますので、注意していただいたほうがいいかと思います。ただ、基本的にあまり神経質になることはないです。
藤川アナ
神経質になりすぎると、それも髪の毛によろしくない感じがしますよね。私はラーメンが好きなのですが、ラーメンというと炭水化物で脂っこい。これは、あまりよろしくないかもしれないですね。
安藤
あまり、そちらのことを強調するわけにいきませんけれども、ラーメンなどはあまり良くないほうだと思います。
藤川アナ
脂分の話が出ましたが、油の多いものを取ってしまうと、これが毛穴を詰まらせる原因になってくるのでしょうか。
安藤
脂肪分は代謝されますので、そんなに多く取ったからどうかというわけではないですが、どうしても頭に関していうと皮脂が多くなる傾向があります。適度な量が大事だと思います。
藤川アナ
皮脂なのですが、最近はシャンプーもいろいろな種類が出て、皮脂をごっそり取ってしまうシャンプーもありますが、ああいうのはどうなのでしょう。
安藤
基本的に、油を取ってしまい乾燥します。要するに、人間の体はある意味で皮脂でもって守られ、その中に常在細菌が生息しています。表面活性剤などを使われてしまうと、皮脂や常在菌が全部抜けていってしまいます。そうすると乾燥になりますね。すると組織の障害が発生しやすくなってくるので、そういうシャンプーを使う場合には十分な注意が必要です。
油が取られてしまうと今度は油を産生しようとして、逆にどんどん出てきます。それがまた毛穴に詰まり、結局は逆効果になってしまいます。皮脂の出ている方は、皮脂そのものはあまり気にすることはありません。ただ、どうしてもべたついたりしますので、適度にシャンプーを使って洗うのはいいと思いますが、根本的に乾燥する肌に向かわせると、あまり良くない環境になっていきますので注意しましょう。
藤川アナ
皮脂を取ってしまうと、体は余計に油を出そうとして毛穴に詰まってしまうことがあるのですね。
安藤
特に頭皮の場合はそうですね。
藤川アナ
やはり何事もバランスですよね。あまり油を取りすぎてしまわないというのは、先生が専門にされていた傷の治療にも同じことがいえるのですか。
安藤
これも栄養学の問題なので、傷の治療そのものでは油を取ったからどうとはありませんけれども、むしろ糖分ですね。糖分の代謝が脂肪や肥満の方向に向かいます。糖尿病でも血糖値が高いことはあまり良くないので、私は糖質を控える方向がいいのではないかと思います。これは栄養面での問題です。
藤川アナ
分かりました。せっかくこうして自毛植毛の手術を受けましたので、今ある髪の毛も大事に守っていきたいと思います。
きょうは、親和クリニック総括副院長、安藤善郎先生に薄毛と生活習慣、特に「食生活」について教えていただきました。安藤先生、どうもありがとうございました。
安藤
とんでもございません。失礼しました。
藤川アナ
それでは、また来週お耳に掛かりたいと思いますが、来週も安藤先生、よろしくお願いいたします。
安藤
よろしくお願いします。
藤川アナ
来週は生活習慣と「睡眠」についてお話を伺ってまいりたいと思います。睡眠も大事ですね。
安藤
非常に大事なことだと思います。
藤川アナ
髪の毛の成長、傷の治りにもやはり睡眠ですか。
安藤
そうですね。
藤川アナ
分かりました。このあたりを、皆さん、来週は楽しみにしていただければと思います。