親和クリニックの医師陣が出演
藤川アナ
『藤川貴央のクリニックレポート』。
こんばんは、ラジオ大阪アナウンサーの藤川貴央です。年齢や性別に関係なく薄毛は悩みの種ですよね。見た目も気になりますし、精神的にもつらいです。私も20歳の頃から薄毛に悩んでいましたが、自毛植毛の親和クリニック大阪院で手術を受けて、そんな悩みも解決しました。身も心もスッキリ、頭はフッサリ!
この番組では、皆さんにも同じ悩みを少しでも解決していただこうと、毎月1週目と3週目は親和クリニックの先生に薄毛や髪の毛に関するお話を伺います。それでは、聞き逃すことのできない15分間、よろしくお付き合いください。
藤川アナ
さて、今回は「発毛促進の成分」について、安藤善郎先生にお話を伺います。安藤先生、よろしくお願いいたします。
安藤
よろしくお願いします。
藤川アナ
発毛・育毛・養毛と髪の毛についてはいろいろな表現がありますけれども、それぞれどう違うのでしょう。
安藤
その名の通りだと思いますけれども、広い意味で育毛剤は三つに分類されていまして、一つは発毛剤、毛の成長を促すという攻めの成分です。髪の毛を生やすということですね。
もう一つは狭い意味での育毛剤です。できるだけ抜け毛を防いで髪の毛を守るという守りの成分です。
もう一つは養毛剤ともいわれますが、頭皮の環境を整える、いってみれば土台作りの成分です。大きく、この三つに分けられています。
藤川アナ
育毛剤・養毛剤に髪の毛そのものを生やす力は、あまり期待できないということになるのでしょうか?
安藤
薬単独で髪の毛を発毛・育毛するのは厳しく、特に発毛に関しては必要条件がありますので非常に難しいです。
藤川アナ
塗るだけで簡単に毛が生えてくるなら、みんなそんなに悩まないし苦労しないよということですものね。
安藤
その通りです。
藤川アナ
植物のエキスで効果があるといわれているものもたくさんありますが、実際のところ、どの程度のものなのでしょう。
安藤
育毛・養毛に関しては、エキスでそれなりの効果があるといわれていますが、発毛に関して効果を期待するのは、まず難しいと思います。
藤川アナ
つまり何もないところから毛を生やすのは、ものすごく難しいのですね。
安藤
はい。血流促進や環境要因を復活させる作用は多少ありますけれども、発毛に関しては難しいの一言だと思います。
藤川アナ
よく聞く成分としてはエビネラン、センブリエキス、ノコギリヤシなど、いろいろありますよね。こういう植物のエキスに関する発毛・育毛の最新研究は、どのあたりまで進んでいるのでしょうか?
安藤
基本的に効果は証明されていません。日本で唯一認められている発毛剤はミノキシジルという製品です。これは医薬品で厚労省でも認められている薬で、これに尽きますので、それ以外のものに関してはほとんど期待できないと断言してもいいのではないでしょうか。
藤川アナ
つまり発毛剤を名乗ることができる塗り薬はミノキシジルだけということですね。
安藤
そのように言っても過言ではないと思います。
藤川アナ
種に水をやれば花が咲くように、頭皮に栄養さえ与えれば毛が生えるわけではないですもんね。
安藤
おっしゃるとおり単純なものではありません。薄毛にはさまざまな要因が絡んでいて、例えばホルモン、あるいは細胞成長因子といったものが働きかけて毛が育っていきます。ですから、男性型脱毛症への対策をしなければ、いくら栄養を与えても毛が育つことはありません。
藤川アナ
毛が生えるメカニズムといいますか、どうやって毛が生えて抜けていくのかを教えていただけますか?
安藤
髪の毛には、毛幹部という外に出ている部分と毛根部という皮下に生えている部分に分けられます。その毛根の中に毛母細胞といって、髪の毛のもとになる細胞がありまして、それに栄養が供給されると細胞分裂が起こります。そして、徐々にケラチンという硬いタンパク質に置き換わって髪の毛の成長が行われるというメカニズムです。
藤川アナ
毛母細胞の分裂、そしてタンパク質を作って髪の毛になっていくということですね。
安藤
それが理論ですが、さらに幹細胞といった根源となる細胞が働きかけ、そこに細胞成長因子が加わることでようやく髪の毛が育ちますので、単純ではありません。
藤川アナ
なかなか複雑ですね。ミノキシジルという薬品には、どうして生える効果があるのでしょうか?
安藤
詳しいメカニズムは分かっていませんが、毛母細胞を刺激することで細胞分裂を活性化させて毛の成長を促していきます。毛球・毛根の根元に働くといわれています。もともとミノキシジルは血液循環の改善薬です。
藤川アナ
もともとは別の用途で作られた薬で、発毛の効果があるのではないかと後で分かったのでしょうか?
安藤
ミノキシジルは一般的に高血圧の薬で降圧剤です。血管を拡張させる効果があるため、頭の体表の血管を拡張させ、血液の循環が良くなり、栄養が潤ってきます。ですから、当初、使われたときに全身の体毛が増えてきたというのが、ミノキジルが薄毛にも使われるようになった発端だといわれています。
藤川アナ
なぜ毛が濃くなってきたんだ?というところから、薄毛にも効果があるんではないかという研究が始まったのですか。面白いですね。
安藤
ただ、基本的に降圧剤ですから、日本では飲み薬として厚労省に認められていません。適用はミノキシジルの外用薬です。
藤川アナ
血圧の高い方が使うには、ちょっと注意が必要ということですね。やはり薬は、そういうものなんですね。
藤川アナ
毛を生やすためには、いろいろな要素が必要だというお話を伺いましたが、絶対にいるという成分はあるのでしょうか?
安藤
外的な栄養成分ですかね。サプリメント的なもので、アミノ酸製剤などです。
藤川アナ
よく亜鉛も聞きますよね。
安藤
そうですね。過去にラジオでもお話ししたかと思いますが、そういった一般的な成分。それから、内的な成分でホルモン、あるいは成長細胞を分泌する細胞成長因子もありますので、そういったものに働きかけると髪の毛が生えてきます。
藤川アナ
今の先生のお話を伺っていると、髪の毛が一本生えるのに、ものすごく複雑なメカニズムがあるのだなと分かりました。塗るだけで毛が生える薬がもしできたら、これはノーベル賞ものですね。
安藤
そうでしょうね。そういう薬があれば薄毛に悩む人はいないでしょうね。
藤川アナ
今後の発毛薬の可能性としてはどうですか?
安藤
まず無理なのではないでしょうか。毛根組織があるという前提条件になりますので、毛根組織がなければいくら細胞成長因子があろうと髪の毛は育ちません。それを克服するのが自毛植毛手術です。
長い目で見れば再生医療やiPS細胞が導入される時代が来るかと思いますが、これは先の先の話であって、実際に現在、薄毛で悩まれている患者様を前にして、根本的な治療は自毛植毛手術+薬物療法を併用したうえでの総合的な治療が理想だと思います。
藤川アナ
自毛植毛手術が、今できる治療の中で一番効果が期待できるものということになるわけですね。自分の元気な毛を毛母細胞ごと引っ越す手術ですもんね。
未来の薄毛治療は塗るだけで毛が生える薬が開発されるわけではなくて、どちらかというと再生医療の分野に進んでいくのですか?
安藤
一つの選択肢としては、その方向性があるかもしれません。今でも証明されて結果が出ています。ただ、なにぶん、培養には労力・時間・相当の費用がかかってくると思います。
藤川アナ
もしかしたら100~200年後の人々は、そんな治療が受けられるかも?
安藤
そこまではいかないと思いますけれども、それは分かりませんね。
藤川アナ
今、生きているわれわれにとって一番ベターな方法は自毛植毛ですね。
安藤
ですから、自毛植毛手術は素晴らしい医療技術だと思います。
藤川アナ
私も体験者の一人として、手術を受けて1年以上経ちますけれど何の違和感もなく、自分の毛としてきちんと生えてくれているわけですから、これは嬉しいことですよね。
安藤
自分の毛であることが一番です。
藤川アナ
よく分かりました。今日は「発毛促進の成分」について、詳しくお話を伺いました。安藤先生、どうもありがとうございました。
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お別れの時間になりました。ここまでのお相手はラジオ大阪アナウンサー、藤川貴央でした。それでは、また来週、お耳にかかりましょう。
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