親和クリニックの医師陣が出演
藤川アナ
『藤川貴央のクリニックレポート』。
こんばんは、ラジオ大阪アナウンサーの藤川貴央です。年齢や性別に関係なく薄毛は悩みの種ですよね。見た目も気になりますし、精神的にもつらいです。私も20歳の頃から薄毛に悩んでいましたが、自毛植毛の親和クリニック大阪院で手術を受けて、そんな悩みも解決しました。身も心もスッキリ、頭はフッサリ!
この番組では、皆さんにも同じ悩みを少しでも解決していただこうと、毎月1週目と3週目は親和クリニックの先生に薄毛や髪の毛に関するお話を伺います。それでは、聞き逃すことのできない15分間、よろしくお付き合いください。
藤川アナ
さて、今回は「脱毛症」について、詳しくお話を伺います。安藤先生、あらためましてよろしくお願いいたします。
安藤
よろしくお願いします。
藤川アナ
一般的な薄毛は、AGA(男性型脱毛症)という男性ホルモンが影響する病気の一つですよね。
安藤
その通りです。
藤川アナ
では、改めて詳しくAGAについて教えていただけますか?
安藤
自然現象として1日に50本前後の髪の毛が抜けても不思議ではありませんが、それ以上抜けるような場合には脱毛症の範疇に入ります。日本人の約3割は薄毛で、その約9割以上がAndrogenetic Alopecia、つまりAGAという男性ホルモンに由来する脱毛症です。そこに遺伝要因が絡んでくるという病気です。
藤川アナ
男性の3割もいらっしゃるのですね。
安藤
そうですね。そのほとんどがAGAといっても過言ではないでしょう。
藤川アナ
AGAによる薄毛には何か特徴があるのですか?
安藤
男性ホルモンによって、ヘアサイクル中の成長期が非常に短くなってしまうために、軟毛化してしまいます。
藤川アナ
毛が柔らかくなってしまうのですね。
安藤
それから、毛包組織も小さくなりミニチュア化して、だんだん髪の毛が伸びなくなってくるので、それが薄毛という現象として現れてくるということです。
藤川アナ
それは頭頂部であったり?
安藤
前頭部の生え際ですね。
藤川アナ
AGAの場合、後頭部や側頭部は影響を受けませんか?
安藤
基本的に影響はないとされています。
藤川アナ
つまり波平さんの形ですよね。一番、進行したパターンが波平さんであると。
藤川アナ
AGA以外の理由で病気による抜け毛・脱毛というのもあるのですよね。
安藤
頻度的には、それほど多くはありませんが円形脱毛という場合もあります。
藤川アナ
円形脱毛の原因は、主にストレスなのでしょうか?
安藤
原因はよく分からないことが多いのですが、一部ではアトピー性皮膚炎と関連しているのではないかとも言われます。いずれにしても毛包組織に対する自己免疫で、自分で自分の細胞を死滅させてしまうということなので、一気に発症することが多いです。ただ、非常に珍しい病気です。
藤川アナ
自分で毛包細胞を攻撃してしまうから、そこの部分が脱毛するということですね。
安藤
そうですね。いわゆる、自己免疫性疾患は数多くありますが、その中の一つに入ります。
藤川アナ
原因が分からないと、治療もなかなか難しいですよね。
安藤
ステロイドや免疫抑制剤など対症療法に終始することになります。
藤川アナ
他には、どのような病気があるのでしょうか?
安藤
あとは脂漏性皮膚炎ですね。皮膚の脂が過剰に分泌されることが原因で、そこにニキビや湿疹ができます。直接原因はカビ類(真菌)に感染して、炎症を起こすのが脂漏性皮膚炎に伴う脱毛症です。
藤川アナ
どうして脂の分泌が過剰になってしまうのですか?
安藤
食生活で脂を過剰に摂ってしまうことが原因として挙げられます。さらに洗髪で脂を取りすぎると、人間の体は脂をどんどん作りますので、リバウンドとして脂漏性という現象が起こることもあります。あとはストレス・飲酒・喫煙も原因になり得ます。
藤川アナ
脂が多いから取らなくてはと思って、しっかりシャンプーをして脂を取りすぎてしまうと、体はよりたくさんの脂を分泌しようとする。これは終わりがありませんね。
安藤
ですから、シャンプーも適当なものを選んで洗髪する必要があります。
藤川アナ
難しいですね。脂が増えてくると、そこにカビが発生してしまうのですか?
安藤
脂を利用して生息・繁殖する菌類がいますので、ひどくなると結構やっかいです。
藤川アナ
そういう場合は、カビを殺すような治療をするのでしょうか?
安藤
そういうことになります。湿疹に対するステロイド治療もしますが、直接の効果を期待して抗真菌薬を使うのが一般的です。
藤川アナ
他には、どんなものがありますか?
安藤
あとは粃糠(ひこう)性ですかね。これも脂と裏腹な関係にありますが、これは乾燥性のフケが毛穴をふさいでしまったために、常在菌が繁殖してそこに炎症を起こして毛根を破壊して脱毛につながるというようなことです。
藤川アナ
粃糠とは、どういう意味なのですか?
安藤
脂漏性というのは脂の過剰ですが、粃糠性は角質が何らかの異常によって破壊されて剥がれてしまったためにフケとして出てくる現象です。最近、フケが多くなったなとお悩みの方は要注意です。そうなると常在菌が繁殖して炎症を起こします。それも適当なシャンプーを選び、すすぎ残しがないように注意する必要があります。
藤川アナ
シャンプーが肌に合っていないのでしょうね。フケに悩まれている方は多いと思いますが、かゆいのもあってかいてしまうと余計に?
安藤
頭皮が損傷してしまいます。
藤川アナ
さらにもう一つ教えていただけますか?
安藤
びまん性の脱毛症です。髪の密度が全体的に低下してくるという、女性に多く見られる脱毛症状です。大きく二つあると言われていますが、薄毛に悩む女性の半分は女性型AGAです。加齢によって女性ホルモンが減少してくると、相対的に男性ホルモンが優位になってくるので、分け目のところから何となく地肌が見えてきて薄くなるという形で、男性型脱毛症と似たような軟毛化が起きるのが、その兆候といえます。
もう一つは、成長期・退行期・休止期というヘアサイクルの中で休止期にとどまってしまう毛の割合が多くなってくると、女性特有の脱毛症で長い髪の毛が脱毛してくるという現象が見られます。
藤川アナ
ばさっと抜けてしまうというイメージですか?
安藤
そうですね。休止期脱毛と呼ばれていて、比較的多い症状です。ストレス・食生活・睡眠など、複雑な要因が絡むことが多いです。
藤川アナ
では、頭皮や髪の毛の状態が、一つの健康のバロメーターであると。
安藤
一番、大事なことだと思います。
藤川アナ
病気による脱毛の場合は、病気の治療が第一になってくるのですよね。
安藤
その通りです。それぞれの専門医を受診するのが一番です。
藤川アナ
病気を治療すれば髪の毛は、また元通り生えてくるのでしょうか?
安藤
原則的には、そういうことなります。ただ、一度収まっても繰り返し再発することもありますので、注意して治療することが大切だと思います。
藤川アナ
中には、ここにはもう毛が生えてこなくなってしまったという場合もありますか?
安藤
そうですね。男性の場合はAGAが絡んできますので、全体的に急激に薄くなってきて、これ以上は生えてこないとなれば自毛植毛が適応になります。
藤川アナ
決して諦めることはないのですね。最後のとりでとして、自毛植毛という手段も残っているということです。
安藤
活動期にある状態では手術ができませんので、まず原疾患を抑えておくことが大切です。
藤川アナ
もう一つ、ぜひお伺いしたかったのですが、最近コロナの後遺症で毛が抜けるという報告があるようですが、これはどうしてですか?
安藤
前のクリニックレポートで、新型コロナウイルス感染症は男性ホルモンのアンドロゲンによって薄毛の方は重症化する人が多いとお話ししましたが、さらにコロナウイルスに感染された患者さんの4分の1は脱毛症状が見られるということで、比較的、頑固に後遺症が残るという話も聞いています。
藤川アナ
SNSで写真を見ましたが、ごっそりと抜けている方もいらっしゃって、怖いですね。まだ研究は、これからでしょうか?
安藤
そうですね。コロナそのもので、精神的ストレスや肉体的ダメージを受けますので、頭皮の血流循環が阻害されたり、サイトカインストームと言われているものも免疫学的な過剰反応なので、そういった免疫学的な機序が絡んで副作用としての脱毛が起こるのではないかという仮説はあります。
藤川アナ
引き続き次回も「脱毛症」について詳しくお話を伺ってまいります。今日は脱毛症について、親和クリニックの安藤善郎先生にお話を伺いました。安藤先生、ありがとうございました。
お別れの時間です。お相手はラジオ大阪アナウンサー、藤川貴央でした。それでは、また来週、お耳にかかりましょう。