親和クリニックの医師陣が出演
藤川アナ
本日は、安藤先生に自毛植毛の手術についてお話をいたします。
よろしくお願いいたします。
安藤
よろしくお願いいたします。
藤川アナ
安藤先生お久しぶりですね。
安藤
去年(2021年)の9月以来ですね。
藤川アナ
はい。去年の9月に私は2回目の自毛植毛手術を安藤先生より、執刀していただきました。5ヶ月が経って落ち着いてきた一方で、2回目の手術後の2ヶ月から3ヶ月経過した時に抜け毛やにきびが増えてしまったのですが、なぜ手術後のにきびが増えるのでしょうか。
安藤
そうですね。にきびの原因の半分は体質的なものもありますけども、どうしても頭の手術ではよくありがちな現象ですね。やはり、肌の皮脂腺が詰まってしまって毛嚢炎を起こしてしまうことがよくありますね。
藤川アナ
意図的に少々の怪我をさせて、その部分に毛を植えつけていますから、治る過程でにきびや抜け毛はつきものということですね。
安藤
そうですね。切り毛というより、抜けていくべき毛が異物となって反応を起こして炎症してしまうということがあります。
藤川アナ
問題はないのですね。
安藤
大体は自然に治っていくことが多いですね。
藤川アナ
はい。手術してから2ヶ月から3ヶ月の間に抜け毛やにきびが増えてしまった感じがあるのですが、それはなぜでしょうか。
安藤
移植した毛は、新しいところで生まれ変わるというよりリセットする方向に向かってから成長期へサイクルをしていくのですが、もちろん上だけが育っていく場合もありますし、その辺りは個人差になっていきます。
藤川アナ
はい。既に生えている毛がびっくりしてしまって抜けてしまう現象も起こるのですね。
安藤
これは手術による影響で、一時的に周りの既存毛が抜けてしまうという現象ですね。
藤川アナ
びっくりしてしまうという感じですね。
安藤
そうですね。ショックロスです。
藤川アナ
隣の家に急に引っ越して来た人がいるぞ。という感覚で毛がびっくりしてしまって抜けてしまうということですね。
安藤
そのような細かいメカニズムは分からないのですが、免疫学的な事象も絡んでくるといわれていますね。
藤川アナ
結構難しいお話になってくるのですね。
安藤
そうですね。
藤川アナ
そのショックロスで抜けた毛は戻ってくるのでしょうか。
安藤
基本的にショックロスで抜けた毛は戻ります。けれども、もちろん髪の毛もいろいろありますので、AGAで抜け毛が起きることもありますし、加齢現象の半ばにある毛もありますし、抜けた場合に全部が生えてこない場合もありますので、抜けた原因を判別するのは難しいですね。
藤川アナ
それはそうですよね。抜け毛を全部集めてきて、ショックロスによるものなのか、AGAの影響によるものなのか、別の原因なのか、それらは分かりませんね。
安藤
いろいろございますね。
藤川アナ
ショックロスで抜けた場合は再び生えてくるということですね。
安藤
基本的にそうなりますね。
藤川アナ
すると、これから半年、1年間でどんどん増えていくということですね。
安藤
そうなってもらいたいですね。
藤川アナ
手術後2ヶ月目、3ヶ月目になると不安になる患者さんも多いかと思いますが、ここはぐっと堪える時期ですね。
安藤
はい。我慢ですね。
藤川アナ
安藤先生、改めまして今回、私が受けた「NC-MIRAI法」について詳しく教えていただけますか。
安藤
大方は「MIRAI法」という治療法で採取部を広範囲に剃毛します。ただし、そうしますと後頭部を隠すためにカバーシートが必要となります。かなり広範囲に刈り上げることになりますので。
藤川アナ
後頭部に刈り上げた部分ができてしまうのですね。
安藤
はい。そこで、後頭部を広範囲に刈り上げない手術、英語で言いますと「ナチュラルカバーリング」と言います。「ナチュラルカバーリングMIRAI法」を略して「NC-MIRAI法」という名前でネーミングしてありますけど、この手術法は親和クリニックが日本で初めて開発した独自の手術方法になりますね。
とにかく極狭い範囲の毛を刈り上げながら株(グラフト)を採取していくという、高度な技術が必要となります。その方法で手術を終了した後は、自分の髪の毛で刈り上げた部分(後頭部)を隠せるということになりますので、極めて自然な感じで仕上がりますね。退院される時や手術を終えられた時は何事もなかったかのように帰っていただけるメリットがある手術ですね。
藤川アナ
まさに先生が仰られているような手術法ですね。通常の「MIRAI法」だと、刈り上げたところを隠すために、カバーシートを1ヶ月から2ヶ月ほど付けなければならない。そうしないと四角で刈り上げた部分が丸見えになってしまうので、それを付けなくても良いとなるとストレスの負担も全然違ってきますし、翌日から会社に出勤した時でも誰にも指摘されなくて済みました。それだけ自然に仕上げるための高度な技術が必要ということですね。
藤川アナ
今回、私は何株移植をしたでしょうか。
安藤
1,000グラフト(1,000株)ほどでしたね。
藤川アナ
沢山植えていただきまして、ありがとうございます。これはつむじ辺りを中心にしましたね。
安藤
はい。つむじと頭頂部の辺りですね。
藤川アナ
1回目の手術も同じ部分を植えていただいたのですが、さらに密度が濃くなるということですね。
安藤
そうですね。
藤川アナ
移植する場所は先生と打ち合わせをしながら決めたわけなのですが、どのような点に注意して移植する場所を決められているのですか。
安藤
移植する領域については、まず肉眼で明らかに薄く見える場所です。元々つむじには既存毛があります。既存毛が損傷しないようにすることを前提とした上で毛の隙間に移植が可能かどうかを見極め、微細なパンチブレードでホールを作成するのですが、既存毛の状況を見極めながら、採取できる株数を頭に入れたうえで移植する量を決めていくわけですね。そして、どの範囲にどれだけの株を移植するのかということを計算してから手術に臨むわけです。
藤川アナ
0.6~0.8mmでしたね。
安藤
はい。移植ですとホールは0.63~0.65mmですね。
藤川アナ
このホールで小さな穴を開けて、その穴に向かって毛をいれていくわけですが、既存の毛を傷つけてはいけないということですね。
安藤
いけないわけですね。
藤川アナ
この見極めというのは、かなり難しそうですね。
安藤
そこで、前に触れたショックロスのお話があったのですが、手術により既存毛へ多少の影響を受けることでショックロスという現象が起きるものですね。
藤川アナ
それによって、一時的に抜け毛が起こってしまいますが、再び髪の毛が戻ってくるようになっていますね。
安藤
はい。基本的には戻ってくるものです。
藤川アナ
移植手術後も、AGAによる抜け毛というものは進行していってしまうものですよね。
安藤
そうですね。移植手術はAGAの進行を止める治療ではありません。毛がない領域に毛を植えていくわけですから。AGAはAGAとして放置しておけば進行していきます。
藤川アナ
つまり、植毛手術を受けた部分にあった既存毛がAGAの影響を受けてしまって抜け毛が起きてしまうことはあるということですね。
安藤
もちろんありますね。
藤川アナ
植毛手術してからもAGAの治療は引き続き行っていくということですね。
安藤
それが重要なことですね。
藤川アナ
私は植毛手術を受けたから大丈夫だと慢心して、飲み薬や塗り薬をやめてしまうと・・。
安藤
やはり、既存毛は抜けていきますね。
藤川アナ
自分の毛を大事に守りながら、増やしていくということですね。
安藤
それが一番大事ですね。
藤川アナ
手術を受けてから5ヶ月が経過しましたが、1年先が完成ですよね。ここに向かって気をつけなければならないことはありますでしょうか。
安藤
特に気をつけることはあまりないのですが、先程仰られたようにAGAの対策や薬物治療を欠かさないことはもちろん、AGAになりやすい方は睡眠時間の確保やストレス、食生活など、生活リズムを十分に整えることにより薄毛対策へと繋げていくことですね。
藤川アナ
この機会に育っていく毛がストレスにより抜けてしまうトラブルが起こっては大変ですので、この辺りは生活を整えることで対策をしていくということですね。
安藤
そうですね。
藤川アナ
はい。分かりました。本日は自毛植毛の手術について、親和クリニックの安藤先生よりお話をいたしました。安藤先生、どうもありがとうございました。
安藤
ありがとうございました。
薄毛は医療で治す
■著者:音田 正光 中山樹一郎/滝田賢一/福島俊彦/安藤善郎/図師伸一郎
■発行:幻冬舎
■販売:2021年7月30日
■体裁:新書(本体800円+税)、電子書籍(オールカラー)
■販売:全国有名書店、amazon、楽天、Appleなどの大手電子書籍取扱いストア