瘢痕性脱毛症の基礎知識
瘢痕性脱毛症とは
「瘢痕」とは、怪我や火傷、手術などによって残る傷のことです。
頭皮には髪の毛を作り出す「毛包」が存在しますが、この毛包が怪我などの外部からの強い刺激によって破壊されてしまうと、そこは瘢痕となり毛が生えなくなります。この状態を瘢痕性脱毛症と言います。
瘢痕性脱毛症は、髪の毛を作る毛包が消失してしまうので、他の脱毛症とは違って、育毛剤の使用や生活習慣の見直しで、髪の毛が生えてくる症状ではありません。
瘢痕性脱毛症の原因は上記の怪我や火傷による傷の他、さまざまな皮膚疾患、細菌や真菌の感染、腫瘍などによるものもあります。
主に男性の頭部に発症する疾患に、瘢痕性毛包炎または禿髪性毛包炎と呼ばれるものがあります。これは毛包が膿をもち、周りの皮膚が赤くなる症状を有します。
これが進行すると脱毛が始まり、少しくぼんだ脱毛病変が現れます。また、残っている毛も抜けやすくなりますし、治療が遅れると瘢痕性脱毛症になる場合もあります。
瘢痕性脱毛症の治療は、まず何が原因になっているかを確かめることが重要です。
皮膚疾患が原因の瘢痕性脱毛症は、放置しておくと脱毛の範囲が広がってしまう場合もあります。
また、原因の疾患が治れば、瘢痕性脱毛症の患部は切り取って縫い縮める縫縮手術である程度改善できる場合もあります。
瘢痕性脱毛症の原因になる疾患は意外と多くありますので、瘢痕性脱毛症が疑われる時は、早めに皮膚科を受診し、専門医にみてもらうことが大切です。
瘢痕性脱毛症の種類
瘢痕性脱毛症には外傷・火傷・手術後の瘢痕などによる続発性瘢痕性脱毛症と、発生頻度は低いながらも原因不明で不可逆性の脱毛をおこす原発性瘢痕性脱毛症があります。
原発性瘢痕性脱毛症は、続発性瘢痕性脱毛症に該当しない場合に診断されますが、その発生頻度は低く、認知度も低い症例です。
また、リンパ球の影響、自己免疫反応などが原因と診断されることもあります。
症状の発生は基本的に狭い範囲に限られており、毛包が消失して傷跡の状態になります。毛包が消失した部分は繊維のような組織となり、その部分から毛が生えてくることはありません。
瘢痕性脱毛症の治療方法と対策
瘢痕性脱毛症の治療にはどのようなものがあるのでしょうか。
まず何が原因になっているのかを明らかにすることが大切です。そのうえで原因になっている疾患の治療を行います。原因疾患を早期に治療することで瘢痕の拡大を防ぐことが大切です。
続発性瘢痕性脱毛症の場合
火傷や感染症などそれぞれの原因に合わせた治療を行った上で、瘢痕が小さい場合は縫縮手術による改善が可能です。または自毛植毛治療を行う場合もあります。自毛植毛治療の場合ですと、瘢痕の状態によっては生着不良が起きる場合もあります。
原因疾患の治療については、抗生物質やステロイド剤、抗真菌薬などが使用されます。
瘢痕性脱毛症は皮膚の中の毛包が破壊されているため、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなどのAGA治療薬を使用しても効果はありません。
瘢痕性脱毛症への対処としては自毛植毛治療か、周囲の髪の毛を伸ばして覆い隠す等の方法が考えられます。
原発性瘢痕性脱毛症の場合
続発性瘢痕性脱毛症と同様に、進行を止める治療を行った後に自毛植毛治療を行うのが望ましいとされています。
原発性瘢痕性脱毛症は、何が原因で発症したか特定が難しいため、確実な対処法がありません。
原因疾患に対してはステロイド系の塗り薬や注射などで治療するのが一般的です。またこれは比較的症例が少なく、円形脱毛症などほかの脱毛症と診断されることもあり、結果的に原因疾患を適切に治療せず放置されてしまうケースもあります。
原発性瘢痕性脱毛症が疑われる場合は、脱毛箇所が広がる前に、専門の医療機関を受診されることをお勧めします。
自毛植毛の特長と費用の目安
瘢痕性脱毛症の原因疾患治療後の対処法として、自毛植毛治療が用いられることがあります。
ただし従来の自毛植毛治療ではドナー部(主に後頭部)の頭皮を大きく切除・縫合する必要があったため、「瘢痕を治療するために別の瘢痕を作ってしまう」ことにもなり、瘢痕性脱毛症の治療に自毛植毛手術が用いられることはさほど一般的ではなく、瘢痕を切除して縫い縮める縫縮手術などが主に用いられてきました。
しかし親和クリニックで行われているMIRAI法に代表される「FUE」式自毛植毛の普及に伴い、瘢痕性脱毛症を自毛植毛で治療するケースが増えています。
親和クリニックのMIRAI法に代表されるFUE式自毛植毛は、ドナー部や移植部をメスで大きく切ることがなく、極小径のパンチブレードという管状の器具を使って一毛穴単位で毛包を採取するため、採取部に傷が残りません。
そのため瘢痕性脱毛症の治療としても極めて適した方法といえます。
自毛植毛とは自分自身の髪の毛と髪の毛を作る皮下組織を外科的に採取し、脱毛部へ移植する手術です。
ドナーとして採取される毛包は主に後頭部から採取されます。後頭部の髪の毛はAGA(男性型脱毛症)などの脱毛症にかかりにくく、移植後も太くしっかりと生え続けてくれるため、移植の材料として非常に適しています。
瘢痕性脱毛症の治療においても、毛包が消失した患部であっても後頭部の毛包ごと移植を行うため、生着すれば再び髪の毛が生えるようになります。ただし瘢痕部は皮膚の血流が悪くなっていることがあるため、薄毛治療など通常の健康な状態の頭皮に移植した時に比べて、生着率が若干落ちる傾向があります。
自毛植毛治療では自分自身の毛髪および頭皮を移植するため、体が異物をはじき出す拒絶反応が起きません。また移植した毛包が発毛した後は、自分自身の髪の毛が何度でも生え変わり、生涯に渡って特別なメンテナンスが必要ありません。
親和クリニックの自毛植毛
親和クリニックの自毛植毛は従来の自毛植毛と違い、メスで頭皮を大きく切り取ることがありません。
メスを使わず、術後の傷跡や痛みが極めて少ない親和クリニックの自毛植毛には、MIRAI法、NC-MIRAI法、United-MIRAI法の3種類があります。
MIRAI法
メスを使わず、極小径のパンチブレードで後頭部から毛包を採取し、同じく極小径のパンチブレードで移植ホールを作成し、空気圧式インプランターで植える最新鋭の自毛植毛手術です。
従来の植毛手術に比べ、極めて低侵襲かつ短時間、美しく自然な仕上がりが実現できる方法です。
毛包を採取する後頭部の髪の毛を1ミリの長さに刈る必要がありますが、カバーシート(精巧な部分ウィッグ)で覆い隠すことができるので、手術を受けたことを人に知られずに過ごすことが可能です。
MIRAI法の費用
990円×株数+基本治療費22万円
例)頭頂部・つむじ周辺に1000株の移植を行った場合
990円×1000株=99万円+基本治療費22万円
=総額121万円(税込)
NC-MIRAI法
術後の傷や痛みが極めて少ない最新鋭の自毛植毛・MIRAI法を更に発展させた術式がNC-MIRAI法です。
MIRAI法の唯一の弱点であったドナー部(後頭部)の広範囲の剃毛をせず、採取する毛包周辺の髪の毛だけを短くカットしながら採取する術式です。
広範囲に刈り上げることをしないため、患者様はほとんど髪型を変えることなく自毛植毛手術を完了させることができます。
人前に出る機会の多い方、女性の方に特に人気の高い術式です。
この術式に似た方法を行っている他のクリニックもありますが、刈り上げずに採取できる株数は少量に限られます。
親和クリニックのNC-MIRAI法では、この術式における長い経験と熟練度を持つ医師により、ドナー部を刈り上げない方法でありながら2,000株を超えるメガ・セッション(大量移植)を実現します。
メスで皮膚を切らず、後頭部も刈り上げないで大量移植が行えるNC-MIRAI法は、他に類を見ない親和クリニック独自の自毛植毛技術です。
NC-MIRAI法の費用
2,200円×株数+基本治療費33万円
例)頭頂部・つむじ周辺に1000株の移植を行った場合
2,200円×1000株=220万円+基本治療費33万円
=総額253万円(税込)
United-MIRAI法
MIRAI法・NC-MIRAI法の良いところを組み合わせた術式です。
後頭部に部分ウィッグなどを使わずに自毛で採取部をカバーし、かつNC-MIRAI法よりも低価格で受けることができます。
確実に自分の髪の毛で覆い隠せる範囲のみ短髪にカットする「MIRAI法」で採取し、それ以外の毛髪は広範囲に刈り上げない「NC-MIRAI法」で採取します。
2つの術式の組み合わせにより、低価格で髪型を変えずに植毛手術が実現できるのがUnited-MIRAI法です。
United-MIRAI法の費用
①MIRAI法で採取する分:990円×株数
②NC-MIRAI法で採取する分:2,200円×株数
③基本治療費:27.5万円
総額=①+②+③
例)頭頂部・つむじ周辺に1000株(自毛で刈り上げを隠す:500株、刈り上げない:500株の場合)
①990円×500株=49.5万円
②2,200円×500株=110万円
③基本治療費=27.5万円
総額:181.5万円(税込)
瘢痕性脱毛症は自毛植毛で治療を
瘢痕性脱毛症の治療も、原因疾患が改善した後であれば自毛植毛治療が有効です。
ただし採取部に新たな傷を作る従来の術式(FUSS法)では傷を治すために別の傷を作ることとなり本末転倒です。
瘢痕性脱毛症には採取部に傷を作らない親和クリニックの自毛植毛が極めて効果的かつ合理的な治療となります。
瘢痕性脱毛症に悩んでいる方は、ぜひ一度、無料カウンセリングにお越し下さい。
親和クリニック大阪院 院長
滝田 賢一 KENICH TAKITA
自毛植毛手術は4年間で1,500症例以上を経験。得意な手術はFUE自毛植毛手術。
平成27年 親和クリニック大阪 院長就任