自毛植毛とは、後頭部に生える毛髪を周囲の皮膚組織ごと採取し、生え際や頭頂部、つむじなどの薄毛部分に移植する外科手術です。
薄毛の主な原因であるAGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンの一種DHT(ジヒドロテストステロン)が毛髪内にある毛母細胞にあるホルモンレセプターと結合し、発毛を抑制する「TGF-β1」を生成することで起こります。
DHTと結びつくホルモンレセプターは主に前頭部・頭頂部の毛髪に存在し、側頭部・後頭部の毛髪にはほとんど見られません。そのためAGAで前頭部・頭頂部が薄毛になることはあっても、側頭部・後頭部の毛髪は残ったままなのです。
自毛植毛では、この残った後頭部の健康な毛髪を採取し、薄毛になってしまった前頭部・頭頂部に移植します。毛髪は移植されても元々の性質を維持するため、後頭部に生えていた時と同様AGAにならず、以前のように毛髪が生えるのです。
自毛植毛では、毛髪だけでなく、周囲の皮膚組織も合わせて採取します。
毛髪・皮膚組織のひとまとまりを「グラフト」または「株」と呼び、自毛植毛はグラフトの採取⇒グラフトをはめるホールの作成⇒グラフトの移植という流れで行われます。
自毛植毛には大きく「FUE法」「FUSS法」の2つの方法があり、グラフトの採取方法が異なることが特徴です。FUE法では、毛根を周囲の皮膚組織ごとパンチブレードで一つ一つ採取し、FUSS法では、後頭部の頭皮を薄く帯状(約10~20cm)に切り取って、そこから移植に使う健康な毛根を採取します。
その後、気になる薄毛の部分に1mmほどの小さいホールを開け、そこに採取したグラフトを植え込みます。組織内の毛母細胞はこの時点で生きているため、植え込んだ後も血液が供給され、これまで通り毛髪は成長しつづけるのです。
自毛植毛の最大のメリットは、
移植した毛髪が生着後、半永久的に生え変わり続ける点です。
術後のメンテナンスも不要であり、1回生着してしまえば、薬品治療や育毛剤・かつらなどの薄毛治療・対策と異なり維持費がかかることはありません。
また、けがによって毛髪が生えなくなった部分にも適応可能です。
通常の薄毛の症状とは異なり局地的に毛髪が生えないため、親和クリニックでも自毛植毛を希望される方は少なくありません。
自毛植毛のデメリットとして挙げられるのは、その費用の高さです。
1回あたりの施術費用は最低でも数十万円と他のAGA治療に比べて初期費用が大きいことがネックで、自毛植毛に踏み出せない方も多くいらっしゃいます。
ですが、1回植毛してしまえば維持費はかからないので、維持費のかかる薬品治療・育毛剤などと比べトータルコストが安く抑えられるケースもあります。
また、効果を感じるまで約1年ほどかかります。すぐに毛髪が生えるわけではないので、即効性を求める方にも向きません。
薄毛治療には植毛をはじめ、投薬治療など様々なものがあります。治療別にかかる費用(概算)を10年間という期間で見た場合、自毛植毛は初期費用こそ高額ですが、長いスパンでみると他の薄毛治療と比較して一概に「高い」とは言えません。
療法 | 期間 | 費用 |
---|---|---|
自毛植毛 | 1回の施術で完了 | 650,000円 (500株移植した場合) |
内服薬 | 10年間飲み続ける | 960,000円 |
育毛剤 | 10年間使い続ける | 900,000円 |
かつら | 10年間着用し続ける (5回交換した場合) |
5,200,000円 (かつら本体 800,000円) (メンテナンス 10,000円/月) |
発毛サロン | 10年間通い続ける | 15,656,400円 |
AGA治療には自毛植毛のほかに、薬品による治療もあります。
AGA治療薬には、男性ホルモン系に直接働きかけ、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制する「フィナステリド」や、血行を促進し、発毛に必要な栄養を毛髪に届けやすく作用のある「ミノキシジル」などがあり、これらの内服・外用薬を組み合わせた治療が一般的です。
これらの薬品は、AGAの進行予防や今ある毛髪の健康を維持する効果はありますが、一度薄毛になった部分の毛髪を取り戻す効果はありません。また、効果を持続させるには服薬し続ける必要があるため、費用は服薬期間によって前後します。
自毛植毛 | AGA薬治療 | |
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改善できる効果 | 移植した自毛が生え変わり続ける | AGAの予防効果、毛髪の太さの回復効果 |
改善までの時間 | 半年~1年 |
半年~1年
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1回あたりの費用 | 650,000円/500株 | 60,000〜120,000円/年 |
10年間の トータルコスト |
650,000円 (※1回の手術費のみ) |
600,000〜1,200,000円 |
ケアの手間 | 特になし | 毎日の内服、外用が必要 |
メリット | 1回の手術で効果が出る |
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デメリット |
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自毛がしっかり生えるまで服用が必要。長期契約を結ばされることもある |
生着率とは、採取した髪を母数として、最終的に移植部分で根付いて発毛した割合をさす指標です。
生着率を高めるには、株を「傷つけずに」「素早く」採取して移植する必要があります。
親和クリニックでは、施術するドクター・看護師のスキルはもちろん、施術器具にまでこだわって生着率を向上させています。
熟練ドクターの知識と経験を駆使した手技で
髪を作る組織を損ねずに採取
ドクターと看護師のチームワークにより
スピーディーに移植
0.8mmで採取し、0.6mmのホールに移植することで
株がピタッとハマって脱落しにくい
自毛植毛をしても、「髪がスカスカで見た目が変」「まばらに生えていてかえって目立つ」といった仕上がりでは意味がありません。
生え揃ったときに見た目の違和感がない、生まれ持った髪に近い仕上がりを作り出せるよう、親和クリニックでは高密度の自毛植毛を追求しております。
高密度に植毛できるよう、移植株は
髪を作る組織を傷つけないギリギリの小ささで採取
難易度の高さから、他院では断られることもある
髪が残っている部分のボリュームアップにも対応
自毛植毛の術後で気になるのが、「患部はどんな見た目になるのか?」という点。頭部は隠すにも限界がありますから、術後の目立ちにくさは自毛植毛における大切なポイントです。
親和クリニックの自毛植毛は、頭皮の損傷をできる限り抑えており、赤みやかさぶたが少なく周りに気づかれにくいという特長があります。
極細径で独自開発したパンチブレードにより
採取・移植するときの頭皮の損傷が極めて少ない
専任のスタッフによる翌日の洗髪サービスにより
患部の赤み・かさぶたをできる限り軽減
NC-MIRAI法なら、施術前後で髪型が変わらないため
人前に出る営業職・接客業の方にもおすすめ
Q
術後はどんな副作用がありますか?
A
外科手術であるが故に、痛み・赤み・腫れなどが数日ほど生じます。
他には、術後1~2ヶ月ごろに一時的に抜け毛が増えることがあります。ただし、術後半年ごろには再び発毛していきますので、過度に不安にならずに待ちましょう。
Q
術後はいつから入浴できますか?
A
当日から入浴していただけますが、患部はぬらさないようお願いいたします。
翌日からは洗髪も可能です。翌日の洗髪は、クリニックにて技術を持ったスタッフが承っております。入浴・洗髪方法についてはクリニックにて詳しくご説明いたします。
Q
術後はいつから飲酒してもいいですか?
A
アルコールは血行を促進し、痛みや出血のリスクを高める恐れがあります。植毛手術の前後1日は、飲酒はお控えください。