最終更新日：
自分の元気な頭皮と髪をドナーとして採取し、薄毛が気になる部分に移植する薄毛治療のことを「自毛植毛」といいます。自分の頭皮や髪を移植するため、人工毛植毛のように拒絶反応が起こったり、抜けてしまったりする心配がありません。
また、ダウンタイムも短い上に、一度手術を受ければメンテナンスなどの必要がないことも嬉しいポイント。手術さえ受けてしまえば、憧れの自然なふさふさ髪が手に入るのです。
このように、薄毛の方にとって魅力がたくさんある自毛植毛。最近では、とても人気が高い薄毛治療法となっていますが、気になることといえばやはり“費用”ではないでしょうか？
手術を行うことからも、費用には保険適用ができそうですが、実のところはどのような仕組みになっているのでしょうか。ここでは、自毛植毛の費用や保険適応についてご紹介いたします。
自毛植毛に保険は適用できる？
効果が高い薄毛治療として人気の自毛植毛ですが、先述もしている通り、その方法は自身の皮膚や髪を移植するという手術になるため、費用が高額になるという問題があります。
できることならば、保険を適用させて少しでも費用の負担を軽くしたいものですが、残念ながら自毛植毛の手術には保険を適用することはできません。
これはクリニックによって異なるわけではなく、どの医療機関を利用しても保険が適応できないため、自費負担で行う必要があります。
自毛植毛に保険の適用ができない理由は？
病気や事故のケガなどで手術を行う場合は保険の適用ができますが、自毛植毛には適用ができません。これは、歯科矯正や美容整形に保険が適用できないのと同じで、自毛植毛は自己負担が必要な自由診療にあたるため。
自由診療とは、厚生労働省が承認していない薬や治療を使用する診療のことで、保険点数がありません。個人の自由で治療を受けることができるため、保険が適用できず、全費用を自己負担しなければならないのです。
クリニックによって料金が異なるのはなぜ？
自毛植毛は自由診療に含まれているため、保険の適用ができない上にクリニックによって料金設定も異なります。これは、自由診療が病院と患者さんの間で直接契約をする診療であり、医療費を病院で決めることができるため。もちろん、医療法や医師法に基づくことが大前提ですが、診察料金や診察方法などに制限がないことも特徴です。
そのため、少しでも自毛植毛の費用を抑えたいという場合には、さまざまなクリニックを比較して、費用が安いところを自身で見つける必要があります。
自毛植毛にかかる費用の内訳は？
保険が適用できず、クリニックによって料金が異なるとなれば、なるべく低価格なクリニックでの手術を望む方は多いと思いますが、自毛植毛の料金は植毛する毛の本数や範囲、手術法によっても大きく異なります。
また、診察料金や術後に服用する薬などの費用も必要になるため、このような基本治療費に加えて、植毛本数に応じた費用が加算され、総費用となります。そのため、薄毛が進行していればしているほど料金が高くなり、早い段階で手術に臨めば料金を抑えることができるとも言えます。
自毛植毛の平均費用はいくらくらい？
自毛植毛の平均金額は、生え際や頭頂部が薄くなっている程度の軽い薄毛であれば、20～60万円程度が相場になります。これは、移植範囲が狭く本数も少なく抑えられるためです。
一方、生え際に加えて頭頂部の薄毛も気になる場合や、額から頭頂部が全体的に薄くなっている場合は、多くの移植が必要になるため、100～200万円程度が相場になります。
ただし、自毛植毛を行う方は、薄毛の進行が進んでいる後者のほうが多いため、平均すると約100～130万円程度が一般的な相場といえるでしょう。
ローンやクレジット払いはできる？
上でお伝えしている通り、自毛植毛には100万円以上の高額費用が必要になるケースが多いもの。最低でも20～60万円程度は必要になるので、一括払いではなくローンやクレジット払いを活用する方が多いようです。
カウンセリング時には、手術内容やアフターケアのことをしっかりと確認することが大切ですが、ローンが組めるかどうか、クレジット払いが可能かどうかなども相談しておきましょう。
10割の自己負担が必要になると聞くと、二の足を踏んでしまう方も多いと思いますが、早めに決断をすることで自毛植毛の費用を安く抑えることができます。
「もしかしたら薄毛が治るかも」「セルフケアで治して見せる」と期待し努力することは大切ですが、一度プロの意見を聞くためにもクリニックでのカウンセリングを受けてみることをおすすめします。ふさふさの髪を目指して、ぜひ前向きに自毛植毛を検討してみてくださいね。
監修医師
親和クリニック 総院長
音田 正光 MASAMITSU ONDA
監修医師
親和クリニック 総院長
音田 正光 MASAMITSU ONDA
大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事したのち、植毛手術を開始。
FUE手術の症例数は約2,000例超に上る。平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。
