
老若男女を問わず、多くの方が薄毛の悩みを抱えています。
育毛剤、養毛剤、シャンプー、ヘッドスパなど、薄毛対策の情報が世に溢れていますが、その中でも注目を集めているのが、自分の髪の毛を移植する自毛植毛です。
移植した毛髪が定着すると、半永久的に移植した場所で生え続けるという画期的な薄毛治療ですが、大切なのは移植した毛髪をしっかりと定着させることです。
定着率を上げるために、術後一定期間は激しい運動を避ける等の注意点もあります。
ここでは、移植した毛髪の定着率を高めるためのポイントを解説します。
自毛植毛後すぐに運動はできる?

自毛植毛の成否のカギを握るのは、移植した毛髪をしっかりと定着させることです。
そのために重要なのが、手術後の過ごし方です。
そもそも自毛植毛とは?
自毛植毛は、自分の毛髪を作る組織ごと移植する手術です。
薄毛の多くは、額の生え際から後退していくタイプと、頭頂部から薄くなっていくタイプの2パターンです。
基本的に後頭部や側頭部には、薄毛の影響を受けない太くてしっかりとした毛髪が残っています。
自毛手術は、その薄毛の影響を受けにくい後頭部や側頭部の毛髪を、生え際や頭頂部の薄くなった部分に移植する方法なので、拒絶反応が起こりにくく安全と言われています。
また、自分自身の毛髪ですから、合成繊維の人工毛を移植する人工毛植毛と違って違和感のない自然な仕上がりとなります。
そのため、基本的にメンテナンスの必要はありません。
さらに、一度移植した毛髪は長期間にわたって生え続けるうえに伸び続けます。
しっかりと定着すれば、それこそ半永久的に薄毛の悩みから解放されます。
術後すぐに運動は可能?
自毛植毛の手術をした後の過ごし方によって、移植した毛髪の定着率は大きく変わります。
それは、定着する前に強い刺激などを与えてしまうと、せっかく移植した毛髪が生着する前に抜け落ちてしまうことがあるからです。
自毛植毛手術は、日帰りで受けることができます。
お仕事の方も、翌日以降から職場復帰が可能である、ダメージの少ない手術です。
ダメージが少ない外科手術なので、施術前と同じ日常生活に戻れるまでに要する時間(ダウンタイム)は必要です。
ダウンタイムは、手術の方法や移植の数、または年齢や体力によって違います。
施術後、普段通りの生活は問題ありませんが、激しい運動は3,4日間ほど避けましょう。
体を激しく動かすことを控えた方がいい理由は、血行が促進されることによって、手術によって生じた傷が開いてしまうことが考えられるからです。
ですから肉体労働に限らず、スポーツも控えましょう。
運動ができる術後の日数の目安
それぞれの症状や手術の内容によっても違いますが、術後4日間は運動は軽めであっても控えた方が無難です。
5日目から7日目以降は、ウォーキングやサイクリング、ジョギング程度の軽めの運動なら可能となります。
ただし、サッカーなど激しく体を動かすスポーツは、1~2週間程度は控えるべきです。
また、サッカーのヘディングなど、頭皮をこする可能性のある動作は、少なくとも1か月以上は控えましょう。
運動以外で自毛植毛の術後に避けたほうが良いこと

自毛植毛の手術で、移植した毛根を定着させるために、日常生活でも気を付けなければならない点がいくつかあります。
飲酒
アルコールは、手術の前日から術後の翌日まで控えましょう。
アルコールの摂取によって血行が促進されると、手術時はもちろん、手術後の出血量が増える可能性があります。
また、患部の腫れが悪化することも考えられます。
喫煙
タバコの成分であるニコチンには血管収縮作用があるため、血流が悪くなり、毛根に栄養が行きわたりにくくなります。
また、傷の治りも悪くなるため、植毛手術前後2、3週間は、禁煙が必要です。
頭皮への強い刺激
自毛植毛手術による傷跡には、個人差はあるもののかさぶたができます。
多少の痒み、痛みを伴う場合もありますが、患部を掻きむしったり、かさぶたを無理にはがすことはやめましょう。
また、頭皮の傷が完全に治りきらない間は、パーマやカラーリングなど、頭皮への刺激となるようなことはNGです。
傷が治るまでの2週間ほどは、頭皮に強い刺激を与えないようにしましょう。
頭皮への刺激という点では、シャンプーにも注意が必要です。
傷口が治りかけるにつれて痒みが出てくるため、つい頭皮をゴシゴシと洗いたくなるものです。でも、爪を立てて洗うことは想像以上に頭皮に刺激を与えます。
長めの入浴も、血行を促進させることから傷口が開いてしまう可能性があります。
手術当日はもちろんですが、術後しばらくはシャワーなどで済ますようにした方が良いでしょう。
自毛植毛の定着率を上げるための術後のポイント

自毛植毛は、しっかりと定着さえしてしまえば、半永久的に移植した場所で髪が生え続けるという画期的な薄毛治療です。
ほとんど場合、術後2週間ほどで日常生活に支障はなくなります。
そのために大切なのが、術後のアフターケアです。
丁寧にアフターケアを行う
自毛植毛手術後のアフターケアは、自分で行うのが基本です。
大切なのは、植毛した毛髪がしっかりと定着するまでの間、頭部に刺激を与えずに注意して生活していくことです。
同時に食生活の見直しや、頭皮環境の改善にも取り組みましょう。
事務職など、体への負担が少ない職種であれば早期の職場復帰も可能となります。
しかし、肉体労働に従事している場合には、あらかじめ休暇をとっておくことも必要です。
そして、アフターケアでもっとも重要なのが、頭皮を傷めることのない、頭皮にやさしい洗髪方法をマスターすることです。
親和クリニックでは、手術翌日に、美容師やスタッフによる独自の洗髪サービスを行っています。
それは、術後の洗髪について、不安を感じている方が多いからです。
クリニックで、頭皮にやさしい洗髪をすることによって、移植した部分のかさぶたもできにくく、目立たなくする効果もあります。
不安な点はクリニックに問い合わせる
いくら事前に説明を受けていたとしても、手術後は不安もあり、疑問点が出てくるものです。 わからないことがあれば、迷わず手術を受けたクリニックの医師やカウンセラーに尋ねましょう。 術後の不安や悩みについて的確なアドバイスをもらうことで、精神的な負担を軽減することができます。
親和クリニックでは「患者さまサポート相談」で、患者さまのお悩み相談を受け付けていますのでぜひ利用してみてください。
自毛植毛の効果を高めるのは術後の過ごし方

薄毛の悩みは、本人にしかわからないものです。
薄毛を自覚してから、養毛剤や育毛剤をいろいろと試してみたり、髪形を変え、髪によいとされる食べ物を多く摂取し、いろいろな薄毛対策に取り組んできた人も多いでしょう。
しかし、満足できる結果とならなかったのではないでしょうか。
では、薄くなった髪はもう二度と戻ることはないのかと言えば、そんなことはありません。
自分の髪を薄くなった部分に移植することで、再び自分の髪が生えてくる、それが自毛植毛です。
自毛植毛の効果を高めるのが、定着するまでの間の過ごし方とアフターケアです。
安全性が高く、半永久的な効果が期待できますが、その効果を得ることができるかどうかは、術後の過ごし方も重要となります。