自毛植毛では後頭部の毛髪を採取しますが、適切な株数を広い範囲からバランスよく採取すれば、後頭部が不自然にスカスカになるリスクは抑えられます。
ただし、術後の刈り上げや赤み、ショックロスによって一時的に薄く見える場合や、採取量によって密度低下が目立つ場合もあります。
本記事では、後頭部がスカスカに見える原因や術後経過、リスクを抑えるポイント、すでに薄さや傷跡が気になる場合の対処法を解説します。
この記事の監修者
監修医師
親和クリニック 総院長
音田 正光 MASAMITSU ONDA
自毛植毛の最前線で施術を行う親和クリニックの総院長。数千にものぼる施術経験を元に、自然かつ確実に生える自毛植毛術「MIRAI法」を開発しました。カウンセリングではどんな疑問にも丁寧に解説することを心がけています。
| 平成3年 | 福島県立医科大学医学部卒業 |
| 平成7年 | 福島県立医科大学大学院卒業(医学博士)米国留学 |
| 平成13年 | 日本医科大学老人病研究所教官 |
| 平成26年 | 親和クリニック新宿開設 院長就任 |
| 平成27年 | 親和クリニック 総院長就任 |
自毛植毛で後頭部がスカスカになることはある?
結論からお伝えすると、自毛植毛を受けたすべての方の後頭部がスカスカになるわけではありません。後頭部の状態を事前に診断し、無理のない株数を適切な間隔で採取すれば、周囲の毛髪で採取部をカバーしやすくなります。
ただし、自毛植毛は後頭部の毛髪を別の場所へ「移動させる」手術です。移植部の密度だけでなく、採取後の後頭部まで考えて治療計画を立てる必要があります。
適切な採取量であれば見た目への影響は抑えられる
安全に採取できる株数は、後頭部の毛包密度、毛髪の太さや色、頭皮とのコントラストなどによって異なります。同じ株数でも、もともとの毛量や毛質によって採取後の見え方は変わります。
そのため、希望株数をそのまま採用するのではなく、医師が採取後の密度を予測して判断することが重要です。移植株数の多さだけを追求せず、移植部と採取部の両方を守ることが自然な仕上がりにつながります。
採取した毛包が後頭部から再び生えるわけではない
自毛植毛では、毛根を含む毛包組織を採取して薄毛部分へ移植します。採取された毛包は移植先へ移るため、採取した場所から同じ毛髪が再び生えてくるわけではありません。
パンチブレードで採取するFUE法では、後頭部の広い範囲から1株ずつ分散して採取し、周囲の毛髪を残すことで、髪が伸びたときに採取部を目立ちにくくします。
後頭部から採取できる毛髪には限りがある
自毛植毛に使えるドナーは無限ではありません。AGAの進行によっては、将来的に2回目の手術を検討する可能性もあります。初回で採取しすぎると、後頭部の見た目に影響するだけでなく、将来使えるドナーが不足することもあります。
「採取できる株数」と「採取してよい株数」は、必ずしも同じではありません。将来の薄毛の進行まで見据えた配分が大切です。
自毛植毛後に後頭部がスカスカに見える主な原因
術後に後頭部が薄く見えても、すぐに採取の失敗と判断する必要はありません。刈り上げや赤み、かさぶたなど、一時的な変化が目立っている可能性もあります。主な原因を確認していきましょう。
刈り上げによって地肌が見えやすくなっている
一般的なFUE法では、毛包を採取しやすくするため、後頭部の一部を短く刈り上げます。普段は髪で隠れている頭皮が見えやすくなり、実際の密度以上にスカスカに感じる場合があります。
髪が伸びるにつれて周囲となじみやすくなるため、手術直後の見た目だけで密度低下を判断しないことが大切です。
赤みやかさぶたによって採取部が目立っている
FUE法では毛包を一株ずつ採取するため、術後の後頭部には小さな点状の傷が生じます。手術直後は赤みや点状出血、かさぶたが見られ、短い髪の間から採取跡が目立つことがあります。
多くは回復とともに目立ちにくくなりますが、強い痛みや腫れ、膿、広がる赤みがある場合は施術したクリニックへ連絡しましょう。
ショックロスで周囲の毛髪が一時的に抜けている
手術による頭皮への刺激などをきっかけに、採取部周辺の既存毛が一時的に抜ける「ショックロス」が起こる場合があります。周囲毛が抜けると、採取株数以上に密度が下がったように見えることがあります。
過剰採取とは異なる状態ですが、外見だけで区別するのは難しいため、経過写真を用意して医師へ相談しましょう。自毛植毛では、ショックロスや赤み、腫れ、毛嚢炎、瘢痕などが生じる可能性があり、症状の現れ方や回復には個人差があります。
毛包を採取しすぎるオーバーハーベストが起きている
後頭部の状態に対して多すぎる株数を採取したり、狭い範囲から集中的に採取したりすると、密度が斑状に低下することがあります。この過剰採取は「オーバーハーベスト」と呼ばれ、髪が伸びても薄さが目立つ可能性があります。
FUE法では毛包を均一に分散して採取することが重要です。術式名だけでなく、採取範囲を見極める診断力と採取技術が仕上がりを左右します。
もともとの毛量が少ない・毛髪が細い
もともと毛包密度が低い方や、一本一本の毛髪が細い方は、少ない採取量でも地肌が透けやすい傾向があります。毛髪と頭皮の色の差が大きい場合も、密度変化が目立ちやすくなります。
また、後頭部にも脱毛症がある場合は、ドナーとして適さない可能性があります。移植先だけでなく、採取部に十分な毛量と健康な毛包があるかを事前に確認することが重要です。
短い髪型や照明の影響で薄く見えている
短髪にしている場合や、上から強い光が当たっている場合は、実際以上に地肌が目立つことがあります。フラッシュ撮影、濡れた髪、毛束の分かれ目によっても見え方は変わります。
術前と術後を比べる際は、髪の長さ、照明、角度、乾いた状態かどうかをなるべくそろえましょう。
後頭部の見た目は術後どのように変化する?
術後の後頭部は、手術直後からずっと同じ状態ではありません。赤みやかさぶたが見えやすい時期を経て、頭皮が回復し、刈り上げた毛髪が伸びることで採取部をカバーしやすくなります。回復には個人差があるため、医師の指示を優先してください。
手術直後から数週間は採取跡が見えやすい
手術直後は髪が短く、赤みや点状の採取跡も残っているため、変化が目立ちやすい時期です。かさぶたが気になっても、爪で引っかいたり無理にはがしたりすることは避けましょう。
洗髪方法は術式や頭皮の状態でも異なります。患部を清潔に保ちながら、指示された方法でやさしくケアすることが大切です。
術後しばらくして一時的な抜け毛が起こる場合がある
手術直後は目立たなくても、しばらくして周囲毛が抜け、後頭部が薄くなったように感じる場合があります。自己判断で育毛剤や外用薬を追加せず、まず医師へ相談しましょう。
薄くなり始めた時期や範囲、抜け毛の量、赤みや痛みの有無を記録しておくと、診察時の判断材料になります。
長期間たっても斑状の薄さが残る場合は相談する
刈り上げた髪が伸び、赤みが落ち着いた後も一部だけが斑状に薄い場合は、採取量や採取範囲を確認する必要があります。脱毛症や頭皮トラブルが関係する可能性もあります。
気になる状態が続くときは、施術したクリニックへ相談してください。相談しにくい場合は、他院修正に対応する医療機関で意見を聞く方法もあります。
親和クリニックでも、他院の自毛植毛修正の相談を承っています。
後頭部がスカスカになるリスクを抑える方法
後頭部の密度低下を防ぐには、術式選びだけでなく、手術前の診断と採取計画が重要です。「FUE法だから安心」「刈り上げない方法なら薄くならない」と単純に判断せず、採取後の見た目まで説明してくれるクリニックを選びましょう。
手術前に後頭部の密度と毛質を診断してもらう
カウンセリングでは、薄毛が気になる前頭部や頭頂部だけでなく、後頭部や側頭部も確認してもらいましょう。毛包密度、毛髪の太さ、採取可能な範囲などによって、安全に採取できる株数は変わります。
「何株移植できるか」だけでなく、「採取後の後頭部がどう見えるか」「将来のためにどの程度残すか」まで確認することが大切です。
移植株数と採取部の見た目をすり合わせる
前頭部や頭頂部の密度を高くしたくても、後頭部から安全に採取できる量には上限があります。希望範囲が広い場合は、移植範囲を絞る、部位ごとに密度を調整する、複数回に分けるなどの選択肢もあります。
患者さまの希望を尊重しながら、無理な株数を勧めず、移植部と採取部のバランスを説明する医師を選びましょう。
広い範囲からバランスよく採取できるか確認する
FUE法では、一か所に偏らないよう、ドナーエリア全体を見ながら毛包を選ぶことが重要です。小さな傷でも、近接した場所から多く採れば周囲の密度が低下する可能性があります。
症例写真を見る際は、移植した生え際や頭頂部だけでなく、採取後の後頭部も確認しましょう。
費用の安さや移植株数の多さだけで選ばない
自毛植毛は自由診療で、術式や株数によって費用が異なります。しかし、価格や「多く移植できる」という点だけで選ぶと、採取設計や術後フォローを十分に比較できないことがあります。
誰が採取を担当するのか、リスク説明があるか、術後に相談できるかも確認してください。自毛植毛は限りあるドナーを扱う外科手術です。納得できるまで説明を受けて判断しましょう。
術式によって後頭部の傷跡や見た目は異なる
代表的な採取方法には、後頭部の頭皮を帯状に採取するFUT法と、パンチブレードで毛包を一株ずつ採取するFUE法があります。採取方法だけでなく、後頭部に残る傷跡の形も異なります。
FUT(FUSS)法では線状の傷跡が残る場合がある
FUT法は「FUSS法」とも呼ばれ、後頭部から帯状の頭皮を採取し、採取部を縫合する方法です。FUTとFUSSは、同じストリップ採取法を指す名称として扱われています。
一度に多くの毛包を確保しやすい一方、採取部には線状の傷跡が残ります。髪で隠せる場合もありますが、傷跡の幅や位置によっては短髪で目立つことがあります。
FUE法では点状の採取跡が分散する
当院のMIRAI法をはじめ、FUE法はパンチブレードで毛包を一株ずつ採取します。頭皮を帯状に切り取らないため、FUT法のような一本の線状瘢痕は生じませんが、採取位置には小さな点状の跡が残ります。
点状の跡は髪で隠しやすいものの、FUE法でも採取量が過剰なら後頭部の密度低下が目立つ可能性があります。
刈り上げない術式なら直後の変化を隠しやすい
刈り上げないFUE法では、採取する毛髪だけを短く処理し、周囲の長い髪を残したまま採取します。残した髪で採取部をカバーしやすいため、手術直後の見た目を大きく変えたくない方に適した選択肢です。
ただし、刈り上げない方法でも採取可能な毛髪が増えるわけではありません。採取株数や費用、手術時間も含めて検討しましょう。
後頭部がすでにスカスカに見える・傷跡が目立つ場合の対処法
すでに手術を受け、後頭部の薄さや傷跡が気になっている方は、「もう直せないのでは」と不安に感じるかもしれません。しかし、原因や残っているドナーによっては、髪型によるカバーや修正植毛を検討できる場合があります。
経過写真を残して施術したクリニックへ相談する
髪の長さや照明、撮影角度をそろえ、後頭部の写真を定期的に残しましょう。手術日、採取株数、薄さが気になり始めた時期、赤みや痛みの有無も整理します。
状態を客観的に共有することで、一時的な経過なのか、診察が必要なのかを判断しやすくなります。
修正を急がず残っているドナーを評価する
後頭部が薄く見えるからといって、すぐ別の範囲から毛包を採取して埋めればよいとは限りません。追加採取によって残っている密度がさらに低下する可能性もあります。
修正時は、後頭部や側頭部の毛包量、傷跡、今後の薄毛の進行などを総合的に診察します。修正手術では、初回以上に慎重なドナー評価が必要です。
FUT(FUSS)法の線状の傷跡は修正植毛を検討できる
過去にFUT法を受け、後頭部の線状の傷跡が目立つため、短髪にできないとお悩みの方もいます。
親和クリニックでは、他院で行ったFUT(FUSS)法による採取部の傷跡に自毛を移植し、周囲となじませて目立ちにくくする修正植毛に対応しています。傷跡自体を消す治療ではありませんが、瘢痕部分に毛髪を補うことで見た目の改善を目指します。
傷跡への修正植毛では施術の可否を慎重に判断する
瘢痕部分は通常の頭皮と組織や血流の状態が異なるため、誰でも同じように移植できるわけではありません。傷跡の幅や硬さ、位置、周囲の毛髪、使えるドナー量を確認し、移植可能な株数を判断します。
親和クリニックでは、FUT法の線状瘢痕に対して、メスで新たな帯状の傷を作らないFUEベースの方法で修正植毛を行います。自己判断で諦めず、修正の選択肢があるか診察で確認しましょう。
後頭部の見た目にも配慮する親和クリニックの自毛植毛
親和クリニックでは、薄毛部分にどれだけ植えるかだけでなく、採取する後頭部の状態や将来のドナーも考慮して治療プランをご提案しています。
毛髪や頭皮の状態、刈り上げへの抵抗、費用面などに合わせて、MIRAI法、NC-MIRAI法、United MIRAI法から適した方法を検討します。
独自の自毛植毛術「MIRAI法」
MIRAI法は、メスで後頭部の頭皮を帯状に切り取らず、パンチブレードで毛包を一株ずつ採取する、FUE法をベースにした親和クリニック独自の術式です。
線状の傷跡を作らず、採取部への負担に配慮しながら施術します。移植部には独自の極細パンチブレードを用い、自然で密度感のある仕上がりを目指します。
刈り上げずにバレにくい「NC-MIRAI法」
NC-MIRAI法は、後頭部を刈り上げずに毛包を採取する術式です。採取する毛髪だけを短く処理し、周囲の長い髪で採取部をカバーしやすくします。
仕事の都合で髪型を変えられない方や、手術を周囲に気づかれたくない方にも検討しやすい方法です。
2つの術式を組み合わせる「United MIRAI法」
United MIRAI法は、MIRAI法とNC-MIRAI法を組み合わせる術式です。見えやすい部分は刈り上げず、髪で隠しやすい部分はMIRAI法で採取するなど、状態に応じて使い分けます。
後頭部の見た目への配慮と費用負担のバランスを取りやすいことが特徴です。
0.5mmの極小パンチブレードによる高密度植毛
親和クリニックでは、移植部のホール作成に業界最小級となる0.5mmのスーパーファインマイクロパンチブレードを使用しています。小さなホールを近い間隔で作成できるため、既存毛への影響に配慮しながら高密度な移植を目指せます。
限りある毛髪をどこへ、どの角度で配置するかまで考え、周囲となじむ仕上がりを追求しています。
累計13,000件以上の施術実績とチーム医療
親和クリニックは、グループ全体で累計13,000件以上の自毛植毛手術を行っています。また、自毛植毛市場では、2021年から2024年の業績実績において直近4年連続でシェアNo.1を獲得しています。
※「2025年版 ヘアケアマーケティング総監」矢野経済研究所調べ
手術では医師、看護師、スタッフが連携し、採取から移植までを円滑に進めることで、スピードと丁寧さの両立を目指しています。
手術翌日の洗髪ケアまでサポート
術後は、「どこまで触れてよいかわからない」「シャンプーで毛包が抜けないか心配」と感じる方も少なくありません。
親和クリニックでは、手術翌日に患部を確認し、消毒と洗髪ケアを行っています。スタッフが実際にシャンプーをしながら力加減や注意点をご説明し、手術後の不安にも寄り添ってサポートします。
後頭部の状態が気になる方は無料カウンセリングでご相談ください
自毛植毛後に後頭部がスカスカに見えるかどうかは、もともとの毛量や毛質、採取株数、採取範囲、術式によって異なります。術後間もない時期は、刈り上げや赤み、ショックロスなどで一時的に地肌が目立つ場合もあります。
一方、長期間たっても斑状の薄さが残る場合や、FUT(FUSS)法による線状の傷跡が気になる場合は、現在の後頭部を診察し、修正植毛を含めた選択肢を検討することが大切です。
親和クリニックでは、カウンセリングと初診料を無料としています。移植したい部分だけでなく、後頭部の毛包密度や毛質、傷跡、将来利用できるドナーまで確認し、無理のない治療プランをご提案します。
後頭部がスカスカになることが不安な方も、すでに薄さや傷跡でお悩みの方も、まずは現在の状態を知ることから始めてみてください。無理に手術をおすすめすることはありませんので、気になることがあれば無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。
自毛植毛と後頭部に関するよくある質問
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Q
採取した部分から髪はまた生えてきますか?
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A
採取した毛包は移植先へ移るため、後頭部の同じ場所から再び生えるわけではありません。ただし、周囲の毛髪を残して適切な間隔で採取すれば、髪が伸びたときに目立ちにくくできます。
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Q
後頭部はどのくらいで目立たなくなりますか?
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A
刈り上げた範囲、髪が伸びる速さ、採取株数、毛髪の太さ、赤みの出方などによって異なります。仕事復帰や散髪の予定がある方は、希望する髪型やスケジュールを事前に医師へ伝えましょう。
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Q
後頭部が薄くても2回目の自毛植毛はできますか?
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A
2回目が可能かどうかは、後頭部や側頭部に安全に採取できる毛髪がどれだけ残っているかで判断します。前回の株数だけでは決められないため、現在の毛包密度や採取跡、薄毛の進行状況を診察します。
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Q
自毛植毛後に短髪にしたら採取部分が目立ちますか?
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A
FUE法では線状の傷跡は生じませんが、採取位置には小さな点状の跡がしばらく残ることがあります。短髪で目立つかは採取量や毛質、頭皮との色の差によって異なります。術後短髪にしたい方は、カウンセリングや診察時にご相談ください。