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薄毛対策についてあれこれ思案している人の中には、植毛を選択肢のひとつと考える人は少なくありません。しかし、植毛した毛が長持ちするのか不安にもなりますよね。
本格的に薄毛対策を考えるなら、植毛について知識を深めておくことは重要です。
植毛にはどのような種類があるのでしょうか?
植毛の種類別の特徴や寿命についてご紹介します。
植毛とは
さまざまな薄毛対策を試しても効果が表れない、もしくは育毛や発毛のためにさまざまな方法を試し続けることに限界を感じたときには、植毛を視野に入れることも一つの方法です。
植毛は手術によって頭皮に毛髪を埋め込む行為を指しています。
日本で行われている植毛には人工植毛と自毛植毛の二種類があり、それぞれ特徴や寿命に違いがあります。
「手術」と聞くと、入院が必要なのではと考える人もいるかもしれませんが、手術にかかる時間は半日程度で、ほとんどの場合は日帰りすることが可能です。
人工植毛の特徴
人工植毛は、その名のとおり人工的に作られた毛髪を頭皮に埋め込むことです。
人工毛の素材には、ナイロン、シリコン、合成繊維などが使用されています。人工的な毛髪は人体にとっては異物であり、実際の毛髪のように髪が伸びたり成長することはありません。当然、一度切ってしまえば生えてくることももちろんありません。
そのため、植毛した後は年に数回のメンテナンスが必要となりメンテナンスのたびに費用がかかります。植毛した人工毛の寿命は、大体1~2年程度であることが多いです。
また、人工物であるがゆえに、人によっては異物を埋め込まれたことによって免疫機能がはたらき強い拒絶反応が起こる可能性があります。
施術後に炎症が出ないように免疫抑制剤が処方されることがありますが、免疫抑制剤によって副作用が起こるリスクもゼロではありません。
自毛植毛の特徴
自毛植毛は、後頭部や側頭部の頭皮を薄毛となった部分に移植する手術を行います。毛髪だけを切除して埋め込むわけではなく、毛髪が生えてくる組織ごと移植する手術となります。
自毛植毛は、手術後に埋め込んだ毛髪が自前の毛髪として抜け落ちたり生え変わったりという成長のサイクルを繰り返す点が大きな特徴です。
手術直後は定着しなかった毛髪が一時的に抜け落ちますが、これは下から新しい毛髪が生えてくる準備を行うためです。その後は自前の頭髪として、半永久的に根付いて成長を続けます。
人工植毛の場合は、理髪店に行く場合には人工植毛であることを告げて植毛した人工部分と周囲の毛を調整してもらう必要がありますが、自毛植毛の場合は生えそろってしまえば自前の毛ですから特別な調整の必要はありません。
自毛植毛は、もともとは自分の毛であるため拒絶反応がほとんど起こらないという点が魅力的です。
手術にかかる時間は大体5時間程度で、手術後は移植するために切り取った頭皮部分を保護したり、2~3日は安静にしておく必要があります。
植毛の種類や特徴をしっかりと知り、自身のライフスタイルに合ったものを選ぶようにしてくださいね。
監修医師
親和クリニック 総院長
音田 正光 MASAMITSU ONDA
監修医師
親和クリニック 総院長
音田 正光 MASAMITSU ONDA
大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事したのち、植毛手術を開始。
FUE手術の症例数は約2,000例超に上る。平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。