AGAの見分け方をセルフチェック！初期症状や原因、対策を解説

AGA（男性型脱毛症）とはどんな症状？

AGA（男性型脱毛症）は、成人男性に多く見られる進行性の脱毛症で、思春期以降に発症します。

主な症状として、額の生え際が後退したり、頭頂部の髪が薄くなったりするのが特徴です。

日本人男性の約3人に1人がAGAを発症するといわれています。

AGAは男性ホルモンの影響や遺伝が主な原因とされ、ゆっくりと時間をかけて進行するため、初期段階では自覚しにくいことも少なくありません。

そのため、抜け毛の変化などから早期にAGAかどうかを見極め、適切な対策を始めることが重要になります。

参考：AGAを発症したら終わり？AGAの原因や見分け方、最新の薄毛治療法も解説

自宅でできるAGAかどうかを見分ける6つのセルフチェック項目

AGAかもしれないと不安に感じた場合、専門のクリニックを受診する前に、まずは自宅で簡単にできるセルフチェックを試してみましょう。

抜け毛の量や質、髪質の変化、そして生え際やつむじの状態など、AGA特有のサインは日常生活の中に隠れています。

これから紹介する6つの項目を確認することで、自身の薄毛がAGAによるものなのか、その可能性をある程度判断することができます。

これらの項目に複数当てはまる場合は、専門医への相談を検討することをおすすめします。

【チェック1】抜け毛の量が増えていないか

健康な人でもヘアサイクルによって1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜け落ちます。

しかし、AGAを発症すると、このヘアサイクルが乱れて髪の成長期が短くなり、通常の倍以上である200本以上の抜け毛が毎日続くことがあります。

特に、シャンプー時の排水溝に溜まる髪の量や、朝起きた時の枕についている抜け毛が明らかに増えたと感じる場合は注意が必要です。

季節の変わり目などによる一時的な抜け毛の増加との違いを見極めるためにも、一定期間、抜け毛の量を意識的に観察することが、AGAの初期症状を発見する第一歩となります。

【チェック2】細くて短い「うぶ毛」のような抜け毛が目立たないか

AGAの大きな特徴は、髪の毛が太く長く成長する前に抜け落ちてしまう点にあります。

そのため、抜け毛を観察した際に、正常なヘアサイクルを終えた太く長い毛ではなく、細くて短い「うぶ毛」のような毛が多く混じっている場合は、AGAが進行しているサインと考えられます。

これは、髪の成長期が短縮されることで、毛が十分に育つ時間がないまま脱毛期に入ってしまうために起こる現象です。

ただし、頭皮環境の悪化が原因で起こる脂漏性皮膚炎などでも髪が細くなることがあるため、抜け毛の質だけで判断せず、他の症状と合わせて総合的に見ることが大切です。

【チェック3】生え際が後退していないか（M字・U字）

AGAの典型的な症状の一つに、額の生え際が後退していくパターンがあります。

鏡で正面から見たときに、左右の剃り込み部分がアルファベットの「M」のように後退していく「M字型」や、生え際全体が後退していく「U字型」がよく見られます。

以前の写真と現在の生え際の位置を比較してみると、変化に気づきやすいでしょう。

ストレスなどが原因の脱毛症は、全体的に髪が抜けることが多いのに対し、AGAは特定の部位から局所的に進行する傾向があります。

おでこが広くなったと感じる場合は、AGAの可能性を疑うべきサインの一つです。

【チェック4】つむじ周りの地肌が透けて見えないか

生え際と並んでAGAの症状が現れやすいのが、頭頂部、いわゆる「つむじ」周辺です。

自分では直接見えにくい場所のため、合わせ鏡を使ったり、家族に確認してもらったりしてチェックすることをおすすめします。

つむじ周りの髪の毛が細くなり、密度が低下することで地肌が透けて見える「O字型」と呼ばれる薄毛も、AGAの代表的な進行パターンです。

この部位には、AGAの引き金となるDHT（ジヒドロテストステロン）を生成する酵素「5αリダクターゼ」の2型が多く存在するため、特に薄毛が進行しやすいとされています。

ちなみに5αリダクターゼには1型と2型があります。

【チェック5】髪全体のハリやコシが失われていないか

AGAが進行すると、毛髪の成長期が短くなるため、髪が十分に太く、強く成長する前に抜け落ちるようになります。

その結果、新しく生えてくる髪も細く弱々しいものばかりになり、髪全体のボリュームが失われてハリやコシがない状態になります。

以前と比べて髪が柔らかくなった、スタイリングがしにくくなった、雨の日に髪がぺたんとするといった変化を感じる場合、それはAGAのサインかもしれません。

AGAの進行度を示すハミルトン・ノーウッド分類は7段階に分けられ、生え際の後退が目立ち始めるiii型あたりから、こうした髪質の変化を自覚する人が増える傾向にあります。

【チェック6】親族に薄毛の人がいないか

AGAの発症には遺伝的要因が大きく関わっていることが知られています。

特に、男性ホルモンを受け取る受容体（アンドロゲンレセプター）の感受性の高さは、母親から受け継ぐX染色体によって遺伝するため、母方の祖父や曽祖父に薄毛の人がいる場合、AGAを発症する可能性が高まると言われています。

もちろん、父親側の家系からの遺伝も影響します。

そのため、両親や祖父母、叔父など、近しい血縁者に薄毛の人がいるかどうかを確認することも、AGAの可能性を判断する上で重要なチェック項目となります。

遺伝的素因があるからといって必ず発症するわけではありませんが、リスクが高いことは認識しておくべきです。

参考：AGAの初期症状を見分けるには？原因と対策、薄毛を根本から治す画期的な治療法も解説]

AGAと他の脱毛症との違いは？

薄毛や抜け毛を引き起こす原因はAGAだけに限られません。

円形脱毛症や脂漏性脱毛症、あるいは生活習慣の乱れによるものなど、様々な種類の脱毛症が存在します。

これらの脱毛症は、AGAとは原因や症状の現れ方が異なるため、治療法や対策も変わってきます。

自分の症状がAGAによるものなのか、それとも他の要因によるものなのかを正しく見分けることは、適切な対処を行うための第一歩です。

ここでは、AGAと混同されやすい代表的な脱毛症との違いについて解説します。

円形脱毛症：コイン状の脱毛斑が特徴

円形脱毛症は、自己の免疫細胞が毛根を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種と考えられており、AGAとは発症のメカニズムが根本的に異なります。

最大の特徴は、前触れなく突然、コインのような円形または楕円形の脱毛斑が発生する点です。

脱毛箇所は1ヶ所だけでなく、複数現れることもあります。

AGAが生え際や頭頂部から徐々に薄毛が進行していくのに対し、円形脱毛症は脱毛部分とそうでない部分の境界がはっきりしているという違いがあります。

年齢や性別を問わず発症する可能性があり、ストレスが引き金になることもありますが、明確な原因はまだ解明されていません。

脂漏性脱毛症：頭皮のフケやかゆみを伴う

脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰な分泌によって頭皮に炎症が起こる「脂漏性皮膚炎」が悪化し、抜け毛を引き起こす脱毛症です。

AGAとの明確な違いは、ベタついた湿り気のあるフケや、強いかゆみ、頭皮の赤みといった炎症症状を伴う点です。

過剰な皮脂が毛穴を詰まらせ、雑菌が繁殖することで頭皮環境が悪化し、健康な髪の成長を妨げてしまいます。

AGAのように特定の部位から薄くなるというよりは、炎症が起きている部分を中心に頭部全体で抜け毛が増える傾向があります。

原因は皮脂の過剰分泌であるため、適切な頭皮ケアや皮膚科での治療によって改善が見込めます。

生活習慣の乱れによる抜け毛：全体的に髪が少なくなる

睡眠不足、栄養バランスの偏った食事、過度なストレス、喫煙、過剰な飲酒といった生活習慣の乱れも、抜け毛の大きな原因となります。

これらの要因は、頭皮の血行不良を招いたり、髪の成長に必要な栄養素の供給を滞らせたりするため、毛根が弱って抜け毛が増加します。

このタイプの脱毛症は、AGAのように生え際や頭頂部といった特定の部位から進行するのではなく、髪全体が均等にボリュームダウンする「びまん性脱毛」に近い症状を示すのが特徴です。

生活習慣の改善によって症状が回復することもありますが、AGAの進行を助長する要因にもなるため注意が必要です。

AGAを発症する主な原因

AGAがなぜ発症するのか、そのメカニズムは複雑ですが、主に3つの大きな原因が深く関わっていると考えられています。

それは「遺伝」「男性ホルモンの作用」「ストレス」です。

これらの要因はそれぞれ独立しているわけではなく、互いに影響し合いながら薄毛を進行させます。

自分の薄毛がAGAによるものなのかを理解するためには、これらの根本的な原因について知っておくことが重要です。

ここでは、AGAを引き起こす主要な原因をそれぞれ詳しく解説していきます。

遺伝による影響

AGAの発症には、遺伝的要因が大きく関与しています。

親から子へと受け継がれる遺伝子情報の中に、AGAになりやすい体質が含まれているのです。

具体的には、男性ホルモン「テストステロン」を、より強力な脱毛作用を持つ「ジヒドロテストステロン（DHT）」に変換してしまう酵素「5αリダクターゼ」の活性度の高さが遺伝します。

また、DHTを受け取ってしまう「アンドロゲンレセプター」の感受性の高さも遺伝的要因です。

特にこのレセプターの感受性は母方の家系から受け継がれることが多いため、母方の祖父が薄毛の場合、遺伝する可能性が高いと言われています。

ストレス

ストレスが直接的にAGAを引き起こすわけではありませんが、その症状を悪化させる一因となり得ます。

精神的、身体的なストレスを受けると、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮しやすくなります。

これにより頭皮の血流が悪化し、髪の毛の成長に不可欠な栄養素が毛根まで十分に行き渡らなくなってしまいます。

その結果、髪の毛が細くなったり、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えたりすることがあります。

また、ストレスはホルモンバランスの乱れにもつながるため、AGAの進行を間接的に助長する可能性があると考えられています。

男性ホルモン（DHT）の作用

AGA発症の最も直接的で中心的な原因は、男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン（DHT）」の作用です。

男性ホルモン「テストステロン」が、毛根周辺に存在する還元酵素「5αリダクターゼ」と結合することによってDHTが生成されます。

このDHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体（アンドロゲンレセプター）と結合すると、髪の成長を抑制する脱毛因子が産生されます。

この信号により、髪の成長期が強制的に短縮され、髪が太く長く育つ前に抜け落ちてしまいます。

このサイクルが繰り返されることで、徐々に薄毛が進行していくのです。

知っておきたいAGAの進行パターン

AGAの進行の仕方には個人差がありますが、いくつかの典型的なパターンに分類することができます。

これを理解しておくことで、自分の薄毛がどのタイプに当てはまるのかを客観的に把握し、早期の対策につなげられます。

代表的なのは、額の生え際の両サイドから後退していく「M字型」、頭頂部（つむじ）からO字型に薄くなる「O字型」、そして生え際全体が後退していく「U字型」です。

また、これらのパターンが複数同時に進行することもあります。

どのパターンであっても、放置すれば薄毛の範囲は徐々に広がっていきます。

AGAの進行を抑えるための対策・治療法

AGAは進行性の脱毛症であり、一度発症すると自然に治ることはありません。

そのため、症状の進行を食い止め、改善を目指すには、早期からの適切な対策と治療が不可欠です。

現在ではAGA治療の研究が進み、医学的根拠に基づいた様々な治療法が確立されています。

治療の選択肢は、自宅で手軽に始められる内服薬や外用薬から、専門のクリニックで受けることができる注入治療や植毛まで多岐にわたります。

自分の症状の進行度やライフスタイルに合わせて、最適な方法を選択することが重要です。

内服薬による治療

AGA治療において、最も基本的かつ効果的な方法の一つが内服薬による治療です。

代表的な治療薬として、AGAの原因物質であるDHT（ジヒドロテストステロン）の生成を抑制する「フィナステリド」や「デュタステリド」があります。

これらは5αリダクターゼという酵素の働きを阻害することで抜け毛を防ぎ、薄毛の進行を遅らせる効果（守りの治療）が期待できます。

また、血管を拡張して頭皮の血流を改善し、毛母細胞の働きを活性化させることで発毛を促す「ミノキシジル」の内服薬（攻めの治療）も用いられます。

これらの医薬品は医師の処方が必要です。

外用薬（塗り薬）による治療

内服薬と並行して、あるいは内服薬に抵抗がある場合に選択されるのが、外用薬（塗り薬）による治療です。

AGA治療で用いられる外用薬の主成分は「ミノキシジル」です。

ミノキシジルを薄毛が気になる部分の頭皮に直接塗布することで、毛細血管が拡張され血行が促進されます。

これにより、髪の成長に必要な栄養素が毛根まで届きやすくなり、毛母細胞が活性化して発毛を促す効果が期待できます。

日本国内では、ミノキシジルの配合濃度によって市販薬と処方薬に分かれており、より高い効果を求める場合はクリニックで高濃度のものを処方してもらうのが一般的です。

専門クリニックでの注入治療や植毛

内服薬や外用薬による治療で効果が不十分な場合や、より積極的な発毛を希望する場合には、専門クリニックでの特別な治療が選択肢となります。

髪の成長因子（グロースファクター）などを頭皮に直接注入する「メソセラピー」や「HARG療法」といった注入治療は、毛母細胞を直接刺激し、発毛を促進する効果が期待できます。

また、薄毛がかなり進行してしまった部位に対しては、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自身の毛髪を毛根ごと移植する「自毛植毛」という外科手術もあります。

これらは自由診療で費用がかかりますが、高い効果が見込める治療法です。

親和クリニックでは、これまでに多数の薄毛症例を扱ってきた経験をもとに、患者さま一人ひとりの状態を精密に診断し、自然なボリュームを取り戻す自毛植毛を提供しています。国内でも希少な極細パンチを使用する独自技術により、頭皮への負担を抑えつつ高い定着率が期待できる点が特徴です。

薬によるAGA治療だけでは変化を実感しづらい方や、確実性の高い改善方法を選びたい方には、移植毛がしっかりと根付く親和クリニックの自毛植毛が有力な選択肢となります。

無料カウンセリングでは専門医が薄毛のタイプや進行度を丁寧に見極め、患者さまに最適な治療プランをご案内します。AGAの改善を本気で考え始めた際は、ぜひ一度ご相談ください。

AGAの見分け方に関するQ\&A

AGAの見分け方や原因、治療法について解説してきましたが、まだ多くの疑問点があるかもしれません。

例えば、どの病院に行けばいいのか、若い年齢でも発症するのか、治療費はどのくらいかかるのかなど、具体的な悩みは尽きないでしょう。

このセクションでは、AGAに関して多くの方が抱く疑問について、Q\&A形式で分かりやすくお答えします。

これらの回答が、AGAに対する不安を解消し、次の一歩を踏み出すための手助けとなれば幸いです。

AGAの進行を根本的に食い止め、発毛を促すためには、フィナステリドやミノキシジルといった医学的根拠のある医薬品による治療、自毛植毛による治療が必要です。

自己判断で対策を続けて時間を無駄にするよりも、AGAが疑われる段階で速やかに専門の医療機関を受診し、適切な治療を開始することが最も効果的な解決策です。

まとめ

本記事では、AGAのセルフチェックによる見分け方から、その原因、他の脱毛症との相違点、そして具体的な対策や治療法に至るまでを解説しました。

抜け毛の量や質の変化、生え際の後退やつむじの透け感などは、AGAの可能性を示す重要なサインです。

AGAは遺伝や男性ホルモンの影響による進行性の脱毛症であるため、放置すれば症状は悪化の一途をたどります。

しかし、内服薬や外用薬などの医学的根拠に基づいた治療を早期に開始することで、その進行を抑制し、症状の改善を図ることが可能です。

もしセルフチェックでAGAが疑われる場合は、自己判断で悩まず、皮膚科やAGA専門クリニックへ相談することが推奨されます。

親和クリニックでは、薄毛でお悩みの方のために無料カウンセリングを実施しています。経験豊富な専門医が詳しく診断させていただきます。まずはお気軽にご相談ください。