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更年期障害と言えば、女性の更年期障害ばかりがクローズアップされてしまいますが、実は、男性にも更年期障害というものがあります。男性の更年期障害の症状のひとつに薄毛の進行が挙げられますが、これは、どのようなメカニズムで起こるのでしょうか。ここでは、男性更年期障害と薄毛の関係性や、男性更年期障害の治療方法について見ていきたいと思います。
男性更年期障害が起こるメカニズム
男性更年期障害は、男性ホルモンのひとつテストステロンの分泌が減少することによって起きます。テストステロンは、男性の体だけではなく心に大きな影響を与えることで知られており、骨格や筋肉、髭などの男性らしさに大きく働きかけます。
また、テストステロンは、やる気を左右する脳内物質のドーパミンを産生させる特徴を持っているため、男性らしさや社会生活への意欲などを維持するための重要な鍵となるホルモンであると言えます。しかし、テストステロンの分泌が減少すると、男性更年期障害の症状が現われやすくなり、疲労感や不眠などの体調不良に陥ったり、抑鬱や焦燥感など、精神的に不安定になる場合があります。
一般的に、テストステロンの働きによって薄毛が進行すると言われているため、テストステロンの分泌が減少することによって、薄毛の不安がなくなるのではないかとお考えの方もいるようですが。男性更年期障害によるテストステロンの減少は、とてもゆるやかであるため、テストステロンの減少によって薄毛が改善されることは、あまり期待できないようです。
男性更年期障害と薄毛の関係性とは?
男性更年期障害によって、薄毛の原因と言われているテストステロンが減少するのにも関わらず、どうして男性更年期障害によって、薄毛が進行してしまうのでしょうか。
それは、男性更年期障害は、男性の精神を不安定にしてしまう要素を多く持っているため、社会生活を営む中で、思うように体のコンデションや精神状態をコントロールできないことによるストレスが、抜け毛の原因となる可能性を持っているからです。
男性更年期障害の症状は個人差があるので、人によってやや違いがあるようですが、あまりにも症状がつらい場合には、肉体的なものであれば内科、精神的なものであれば診療内科など、早めに医師に相談した方が良いでしょう。
男性更年期障害の治療方法が知りたい
男性更年期障害の治療方法のひとつに、男性ホルモン補充療法があります。これは、減少したテストステロンを補うことによって症状の緩和や改善を目指すものです。
この治療を迷っている方の中には、テストステロンの働きによる薄毛の進行を恐れている方もいるようですが。実は、テストステロンによる男性型脱毛症が起こるメカニズムには、遺伝子などの先天的なものが深く関係しています。
テストステロンが直接毛髪に影響を与えるわけではなく、テストステロンが体内の酵素によって、ジヒドロテストステロンという物質に変換されなければ毛髪に影響を与えることができません。このことから、治療に対する過度な心配の必要はないかもしれません。
男性更年期障害はまだまだ認知度が低いため、その症状に対して理解されることが少ないかもしれません。しかし、深刻な症状は日々の生活を困難なものにしてしまう場合もあるので、できるだけ早めに医師に相談の上、医療機関での治療を考えた方が良いでしょう。
監修医師
親和クリニック 総院長
音田 正光 MASAMITSU ONDA
監修医師
親和クリニック 総院長
音田 正光 MASAMITSU ONDA
大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事したのち、植毛手術を開始。
FUE手術の症例数は約2,000例超に上る。平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆し、この分野の先駆的報告となった。