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髪の毛が薄くなって地肌が目立ってくると、「もっと栄養をとらなくては!」と食生活を気にし始めるものです。しかし、その際に普段よりも肉を多めに食べてしまう人もいるのではないでしょうか。
髪の素であるタンパク質を補充しようと肉を食べすぎると、かえって薄毛になる可能性があるのです。
今回は薄毛と肉の関係についてご紹介します。
髪はタンパク質でできている
確かに私たちの髪の毛の主成分はケラチンからなるタンパク質で、動物性タンパク質の塊である肉を積極的にとることは理にかなった行動のように思われます。
しかし、肉にはタンパク質以外の栄養も含まれていますので、「肉食=髪の毛に良い」と考えるのは早計です。
私たちが普段口にする牛肉、豚肉、鶏肉の3種類の肉は成分構成が大きく違うので、その摂り方によっては、大事な髪の毛に悪影響を及ぼすことも考えられます。
薄毛が気になってあわてて肉に手を伸ばす前に、薄毛と肉食の関係について良く知っておきましょう。
薄毛に肉は重要! 薄毛の改善に食べたい肉は?
薄毛・抜け毛の改善のために多くの栄養をとることは必要不可欠です。しかし毎日肉ばかりを食べているようでは、薄毛をどんどん進行させてしまうリスクがあります。肉の脂身にはコレステロールとして体内に蓄積されやすい、飽和脂肪酸が豊富に含まれているからです。
肉を食べすぎることで皮脂の分泌が盛んになると、毛穴が詰まって発毛ができなくなったり、頭皮の炎症を招いて、薄毛を引き起こしてしまうんです。
薄毛が進行してくる中年期は栄養を消費する代謝機能も低下していますので、肉食への偏りは肥満や動脈硬化、脳梗塞などの重大な病気を引き起こすリスクも潜んでいますから、肉の食べすぎには注意が必要です。
もし、「それでも、肉が好きなんだ!」と思うのであれば、髪の毛のために比較的脂肪分が少なく、ヘルシーなタンパク源である鶏肉を選びましょう。
鶏肉は良質なタンパク源だけではなく、発毛と頭皮を健康に維持する効果のあるビタミンB 群や亜鉛などのミネラル、頭皮を潤わせるコラーゲンなども豊富に含まれています。肉のなかでも、健康的な良い髪の毛を作るのに最適なのです。
バランス良く栄養をとって薄毛を改善しましょう
薄毛の改善や健康の維持のために、肉食がいけないといっているわけではありません。
タンパク質は牛や豚、鶏肉だけでなくさまざまなものからも取れますので、「タンパク質=肉」とこだわらず、さまざまな食材も生活に取り入れていきましょう。
レバーであれば種類にかかわらずにタンパク質やそのほかの髪の毛に良い栄養をヘルシーに取れますし、魚でも良質なタンパク質を摂取することができます。
また、豆腐などの大豆加工品も植物性タンパク質の宝庫で、育毛に効果的です。動物性・植物性と、バリエーション豊かに栄養を摂りましょう。
健康的な発毛を促すためには多くの栄養が必要ですが、それぞれの栄養は吸収を助けたり、吸収を妨害したりと、相互に関連して作用します。
だからこそ栄養は、さまざまな食材から、バランス良く、まんべんなくとることが大事です。
ぜひいろいろな食材から良い栄養を豊富にとって、薄毛を改善していきましょう。
監修医師
親和クリニック銀座院院長
安藤 善郎 YOSHIRO ANDO
外科医として30年近くの研鑽を積んだのち、植毛手術に携わる。
科学的根拠に基づく「傷を痛くなく、早く、きれいに治す湿潤療法」の実践、啓蒙活動を行っていた実績を活かし、十分なインフォームドコンセントのもとに患者さまの満足を第一にした自毛植毛手術を提供する。
外科医として30年近くの研鑽を積んだのち、植毛手術に携わる。
科学的根拠に基づく「傷を痛くなく、早く、きれいに治す湿潤療法」の実践、啓蒙活動を行っていた実績を活かし、十分なインフォームドコンセントのもとに患者さまの満足を第一にした自毛植毛手術を提供する。